いろいろな素材のチェーン

 

 

チェーンの素材いろいろ

古くはジュエリーや装飾品など、すべて誂えて一通り合わせて作られていた時代もありました。
その時代の名残から、チェーンの素材には、懐中時計のケースとほぼ同じ素材のものが揃っています。
時計に合わせるために同じ素材のものが必ずあるといって良いほどで、時計のケースに使われる定番の金属であれば、同様にチェーンにも使われています。
貴金属として価値のある金や銀、それらよりも安価で耐久性のある金張りや真鍮製など、それぞれによって特徴や値段も違います。

懐中時計とチェーンを合わせていただくなら、時計の素材とチェーンの素材を合わせていただくのが一番間違いのない組み合わせです。
同じ銀色系のものでも、ホワイトゴールドとシルバーでは、ホワイトゴールドがやや黄身がかっているのに比べると、シルバーは青緑といった色味の違いがあります。
あくまで厳密に言えばということなので、あまり気にしていただく必要はありませんが、素材自体を合わせていただくと、色あいがより自然になります。

 

 

金無垢 / Solid Gold

アンティークチェーンとしては、最も価値のあるものですが、貴金属としても価値があり希少価値も高く、あまり市場には出回りません。
チェーンの重さ=金の価値という、貴金属の価値としての最低価格が決まっているため、新しく作られている純金製のチェーンでも数十万円以上からと、他のチェーンと比べると最低価格が1桁違う値段になります。
アンティーク品やさらに装飾などが施されている品は、もちろんそれ以上に高くなりますので非常に高価で価値のあるものです。

特徴としては、貴金属として美しいのはもちろんのこと、無垢素材であるため傷が付いてしまっても研磨等で補修もしやすく、金の特製から錆びや腐食しないため、何十年・何百年と残すことができるのが特徴です。
ただ良く誤解されやすいのは、「純金です」と販売されているチェーンも、金だけでは金属として柔らかすぎるため、10K,14K,18K(10Kの場合は24分の10≒約4割が金)などのように、銀や銅などが混ぜられています。
アンティーク品では9金か14金が一般的で、アンティークの金無垢の懐中時計の色合いと同じく、ややローズゴールド色をしているものが多いのも特徴の1つです。
新しいジュエリーのような、「黄色」という色合いはあまりありません。

金無垢チェーン

多くの方がお求めになられる素材ですが、金額が非常に高額であることから、入手を断念されることがよくあります。
また当時としても非常に高価な素材であるため、製造された数自体も非常に少なく、他の素材に比べるとデザイン的に良いものが少なく、希望通りのものに出会うことはなかなかありません。
チェーンをお探しいただくのに、「金無垢」という素材で縛られてしまうとかなり難しくなりますので、金張りなどもご検討いただくことをお勧めします。

 

 

金張り・金メッキ / Gold filled・Gold Plated・Rainfoced

アンティークチェーンとしては、最も定番のよく使われていた素材で、下地の金属に金がコーティング・プレートされているものです。
製造する際のコストや下地に対する加工などが比較的容易であったため、さまざまなデザインで多種多様のチェーンが作られ、アンティークチェーンの一番の花形素材だともいえます。
アンティークと呼ばれる時代のチェーンほど、金張りであれば金のプレート部分も比較的厚く、現在でも比較的良い状態で残っているものがあります。
ただし時計と比べるとチェーンはやはり「添え物」であり、材質は全体的にやはり時計のケースよりも劣ります。
また特殊なデザインのものほど角や鋭角があるため、その部分は使用の際に擦れやすく、金の摩耗がみられるものがほとんどです。
完全な品はなかなかありませんので、その点はアンティークの味として見ていただくべき部分です。

金張りチェーン

金色のチェーンをお選びいただくなら、デザイン的には最も種類が多いものであり、シンプルなものはもちろん、豪華絢爛なデザインのチェーンも多く、作られた数自体が多い素材であるため、たくさんの選択肢があります。
金額的にもデザイン的にも、金色のチェーンであれば、一番お勧めの素材です。

メッキ製品に関しては特にですが、メッキ部分が薄いものが多いため、磨くとメッキ部分が落ちてしまいやすくお勧めできません。
ただし、金張りやメッキについては、磨いて厚いメッキを掛け直すことで補修をすることができます。
色味自体は変わってしまいますが、「補修をして楽しんでいただくことができるもの」という考え方もできるものです。
下地の金属が正確にはわからないため、お店によっては補修を断られることもありますが、当店ではできる限り補修のお手伝いもさせていただいています。

 

 

銀無垢 / Silver

銀のアンティーク懐中時計に合わせるなら、やはり銀無垢素材のチェーンです。
金と同様に、銀だけでは金属としてやわらかいため、通常は他の金属を1割から2割の割合で混ぜています。

素材的な特徴としては、銀素材は時間が経過すると黒ずみが起こり、定期的に磨かなければ、全体的に黒っぽくなり輝きがなくなります。
ただ磨けば元の輝きが戻るのも特徴で、この黒ずみを楽しむのもお勧めです。
銀製のアンティーク時計の傷や汚れなどの質感には、銀の渋みのある色合いのチェーンがぴったりです。

銀無垢チェーン

チェーン自体としては、デザイン的には定番のものが数多くみられる反面、特殊な作りやデザインのものがとても少なく、定番以外で探すとなると、なかなか気に入ったものが見つからない素材ではあります。
またある程度の太さがあるものが定番で、金張りに見られるような、チェーン自体が細く、そしてかつ装飾が施されているものというのはほとんどありません。

 

 

白色系のその他の素材|クロームメッキ・ニッケル・ホワイトゴールド

銀色をした素材のものでは、クロームメッキやホワイトゴールドの金張りやメッキをしたものがあります。
クロームメッキでは、白っぽい銀色でホワイトゴールドではやや黄味がかった色合い、真鍮やニッケルであれば黄色や緑色がかった色合いになり、銀時計と合わせると、色の違いは写真ではわかりにくいものの、肉眼では比較的はっきりとわかります。
銀時計と合わせるのにお勧めできないものではありませんが、色の違いは少し気になるかもしれません。

 

 

髪の毛

映画や文献などでご存知の方も多いかと思いますが、悲しいお話しとして伝えられることが多いのですが、昔は女性がお金のために、自慢の長い髪を売ったりということがありました。
アンティークには、その髪の毛で編まれた紐(チェーン)も存在します。
髪の毛を提供した人の『髪の毛の色』によって、金色・茶色・黒など、はっきりと色の違いがわかります。

髪の毛

特徴としては、職人技といえるほどに、非常に細かく編みこまれているものが多く、作りの丁寧さや凝り方は「チェーン」という部類の中では随一。
30センチの長さのものなら、その何倍もの長さの髪の毛が使われています。
日本ではあまり知られていませんが、海外ではアンティークや美術工芸品として収集している方も多い素材です。
当時としても貴重なことはもちろん、作られた年代も1800年代から1900年代前半頃に限られ、現在では作られていないものです。
毛髪ということで状態の良いものは特に珍しく、技術的にも現在では失われてしまったものであり、時代背景的にも美術的にも非常に希少価値のあるものです。

 

 

黒い幅のある薄い布に、金のプレートというワンポイントのものがほとんどです。
年代的なことや素材的なことから、状態の良いものが少なく、布地の部分にはどうしてもほつれなどが見られます。
手芸店などで布部分を交換していただくことができれば、ほつれていても続けてご使用いただけるものです。
ただ布という特性から、見える面が一面だけになってしまい、素材的にねじれやすい・ほつれやすい・折り目がつきやすい等、使いやすいさや魅せるという点では使いづらい素材ではあります。

黒紐とプレート

 

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