時計が商品になるまで


当店で販売するアンティーク時計が「1つの商品」として販売できるようになるまでのご紹介です。

時計を仕入れる

仕入れ担当スタッフが、当店独自のネットワークで仕入れを行います。
各地の骨董オークション会場・骨董店・質屋・直接購入など、さまざまな場所・方法で買い付けを行います。
細かな部品で組み上げられている時計の性質上、買い付けの時点では100%の状態を知ることはできません。
骨董専門のオークション会場や直接購入の場合であっても、私たちのような専門スタッフですら、機械を外側から眺める・動作を確認する程度のことまでしか許されていないのです。

時計の確認

買い付けを済ませて持ち帰ってみて、問題がある・修理ができないことがわかることも多々あります。
どんなに高級な時計であっても、この時点で修理ができないとわかったものは、商品としてお店に出ることはありません。
これがアンティーク時計を扱う・買い付ける上での非常に大きなリスクですが、「長くお使いいただける時計をお届けする」ことがモットーですので、この時点のリスクを担当スタッフ・当店が負っています。

 

 

品質を保つために選別し、より良い商品を選ぶ

買い付けた時計を商品になるもの・ならないものに選別します。
外装や部品に破損や欠損があるものは、補修の対象となるか商品にならないかに判別されます。
状態があまりに悪いものは、補修をしても決して見栄えが良くならない・使えないことがありますので、そういった時計も不合格品として選別されていきます。
買い付け後の確認から、この選別までの工程の間に、数多くの時計が不合格になります。

時刻合わせ

 

 

時計師と専門技術者による修理と調整

当店の時計士によって、機械の検査・補修が行われます。
より詳しい検査が行われ、機械の小さな部品の状態や石の状態をチェックし、さらに修理の可・不可の判断が行われます。
部品などに問題があれば、ここでも商品として不合格になるものが数多く有り、数ヶ月から長ければ数年という期間、部品が手に入ることを待つことになる時計もあります。

ピンセットと機械

最終的に全ての部品に問題がなく修理可能であることがわかれば、分解・洗浄・オイル注入・組み上げ・動作テストなど約1ヶ月ほどの期間をかけて、「動く時計」として商品として仕上げられていきます。
さらに外装やケースなどの研磨の必要があれば、宝飾職人によって研磨などの工程が1週間ほど加わります。
特殊な補修が入る場合は、2~3ヶ月をさらに要することもあります。

 

 

仕上がりの最終検査

時計士やその他の職人が仕上げた時計を確認し、「利用者」の立場に立った確認を行います。時計士・専門技術者の仕上げは「動く」「見た目の美しさ」など、それぞれの職人の作業に重点が置かれているため、利用者の立場に立った確認が足りないことがあります。
リューズの巻きが固すぎる・傷の有無・不安要素がある場合は、ここでも不合格になる可能性や再調整扱いとなり、さらに数ヶ月の期間がかけられることもあります。

最終的に問題が無いと判断された場合に最終の動作テストを行い、最終検査を通過した時計がここでやっと商品になります。

 

 

「商品」としての時計の誕生

当店の撮影スタジオで時計の内部・外側の写真を撮影し、ホームページに掲載されます。
1つの時計についておおよそ数百枚の写真撮影を行います。(接写のできる高性能カメラを使用しているため、ほこりであっても写りこむほどです。)
商品のサイズ測定・説明文などの用意が終われば、ここで初めて1つの商品として販売が開始されることになります。

懐中時計と手袋

買い付けから1つの商品になるまで、早いものであってもおおよそ3ヶ月ほどの期間がかかります。
すぐにご希望の商品がご用意できない・商品の入荷に時間がかかるのは、こういった工程を経ているためです。

 
 

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