古い時計のサイズについて


時計のどの部分を計測しているのか、体感的にどのような違いがあるのか等をご案内しています。

写真を交えた時計などの商品サイズのご案内

実際に商品を手に取ってご覧いただくように、できるだけサイズや体感的な大きさやについても、正確にお伝えしたいと考えています。
アンティーク時計店である当店が主に扱う、懐中時計や腕時計、そして懐中時計のチェーンに至るまで、その採寸方法を写真や図を交えてご説明させていただきます。
専門用語や数値からだけでは、おわかりいただきにくい部分も多くありますので、採寸についてのご案内もぜひご参考ください。

実際に着けた際の写真や、何かと対比した写真をご覧いただきたい場合は、お気軽に当店までお尋ねください。
腕時計の場合は、どのような大きさや見た目になるのか、実際に腕に巻いた状態で写真を撮ってお送りいたします。

手のひらの金の懐中時計

昔の腕時計と現在の腕時計はサイズも違います

現代の腕時計に比べると、アンティークと呼ばれる1960年頃までの腕時計はサイズも小さめ。
その当時の男性用であっても、現代と比べると一回りほど小さなサイズになります。
また女性用は、比較的現代に近くなるまで、ドレスウォッチ・カクテルウォッチと呼ばれるような、縦横1.5センチほどの小さなサイズが主流でした。
そのため、アンティークの男性用は、現代であれば女性の方も好んで着けて頂けるサイズで、デザインも良く、女性の方にも人気があります。

メンズとレディースのサイズを比べた昔の広告

この昔の広告をご覧頂くと、腕時計のサイズ感は特にお分かりいただきやすいかと思います。
グラスを持つ腕は上が男性ですが、腕時計が腕に小さく収まる感じで、現代の腕時計とはサイズも違うのが一目でお分かりいただけます。
また下記の写真をご覧頂いても、男性用も現代と比べると小ぶりであるのがお分かりいただけるかと思います。

チェスをする腕時計を見せる男性の広告

腕時計のサイズと採寸箇所について【図解】

 

腕時計の採寸

【 ラグ 】

ベルトを留める部分も含めた端から端までの縦の長さです。

【 縦 】

ラグ部分を含まない縦の長さです。

【 横 】

リューズ部分を含まない横の長さです。

【 厚み 】

時計本体のケースもしくは風防の大きさも含めた厚みです。
ケース自体がカーブしている場合は、時計の中央付近で厚みを測るため、ラグの先端から風防の中央までの厚みとは差異があります。

【 ベルト幅 】

取り付けられるベルトの幅です。

【 風防 】

風防の大きさです。
風防を取り外しての実測ではないため、正確な数値ではなく、時計の大きさなどのご参考にしていただくための大まかな数値です。

一般的な腕時計の採寸【図解】

基本的には、ラグ(全体的な長さ)、縦(ケース本体部分の長さ)、横(リューズを含まない幅)という数値で表します。
サイズでご購入をお悩みいただいている場合は、商品の詳細に記載されているサイズを紙などで切っていただいて、腕に合わせてサイズをみてください。

 

ラグ

腕時計のケースから出ている「足」の部分、赤い色で示している部分を含んだ縦の長さです。
ベルトを留めるために、上下に2箇所づつ、短い足のような部分が出ていますが、その部分を含んだ長さのことです。
下記のようなワイヤーラグという作りであれば、ワイヤーラグの端から端までの長さを指します。
簡単に言えば、「腕時計の端から端までの長さ」になります。

ラグを含んだ腕時計の計測

下記のように、ラグの形が特殊な場合も同様です。

特殊な形のラグを含んだ腕時計の計測

 

ラグの部分を除いた、赤い色で示している時計本体の長さです。

腕時計本体の縦の長さの計測

ラグの形状が特殊であっても、丸型の場合は、本体のサイズが直径になるため、わかりづらいということはあまりありません。
長方形や樽型などで、計測する位置がわかりにくい場合には、ケース本体の位置がどこまでか見てみてください。
ケース本体の「肩」のような部分までが計測する部分で、時計を裏側から見ると、どこまで計測しているのかが明確にお分かりいただけます。

特殊な形の腕時計本体の縦の長さの計測

 

リューズを除いた、赤い色で示している時計本体の横幅です。
リューズの大小に関わらず、リューズはサイズに含めていません。

腕時計本体の横の長さの計測

女性用のドレス・カクテルウォッチタイプの腕時計の採寸【図解】

腕時計のなかでも、女性用・婦人物の腕時計は、まるでジュエリーやブレスレットであるかのような装飾が施され、そのサイズを正確にお伝えするのもなかなか困難です。
基本的な計測方法は、一般的な時計と変わりませんが、装飾部分がケース本体と一体化しているものもあり、どこまでをラグ、どこまでを本体として採寸しているのかがわかりづらい点がありますので、詳しくは下記の写真をご覧ください。

 

ラグ

一般的な腕時計と違って、バンドやベルトを留める部分が隠れている物が多くなっています。
装飾の部分を含めて、「ケースの端から端までの長さ」を計測します。

ラグを含んだ女性用の腕時計の計測

装飾部分が非常に長いものも同様です。

ラグが長い女性用の腕時計の計測

 

ドレスウォッチやカクテルウォッチと呼ばれる時計は、時計の装飾部分が、ケース本体の一部であることが多く、分けて考えるのは少し難しいものです。
ただサイズをお考えいただく際に、特に女性用の腕時計の場合は、時計全体の長さだけでは、どの程度が文字盤回りの大きさなのか、どの程度までが装飾部分であるのかがわからず、重要な時計の全体的なバランスがわかりません。
どこまでが本体なのかを知っていただくと、文字盤部分との対比で、より正確なサイズ・大きさが把握しやすくなります。

女性用腕時計本体の縦の長さの計測

本体と装飾部分が一体化しているような場合でも、本体部分には機械が収納されているため、その部分をご確認いただきやすくなっています。

長い女性用の腕時計の縦の計測

表側から見てわかりづらい場合は、裏側から見てみると、より把握しやすくなります。

女性用腕時計本体の縦の長さの計測(裏側から)

昔の広告に見る時計のサイズ

女性用の小さな腕時計

ドレスウォッチ・カクテルウォッチタイプの定番で、ラグの長さで2.5~2.8センチ、横1.6センチ前後の腕時計の場合。
婦人物の腕時計を身に着けたブローバの広告より
【 ブローバ社1966年頃の広告より 】

広告の実物を見る

懐中時計のサイズと採寸箇所について【図解】

懐中時計の場合は、ほとんどが丸型で、直径と厚みがサイズの指標です。
お使いいただく状況や用途によって、大きさと重さもお選びいただく際の重要な要素になります。

 
懐中時計の採寸

【 直径 】

丸型の懐中時計の場合は、サイズを直径で記しています。
リューズ部分は直径・大きさには含まれていません。

【 厚み 】

オープンフェイスの場合は、風防の厚みを含みますので、風防によって厚みは若干変わります。
ハンターケースの場合は、ケース自体の厚みになります。

【 風防 】

風防の大きさです。
風防を取り外しての実測ではないため、正確な数値ではなく、時計の大きさなどのご参考にしていただくための大まかな数値です。

【 重さ 】

懐中時計自体の重さです。

懐中時計の大きさによる分類

当店では、懐中時計の大きさごとに、「大型」「中型」「小型」の三種類に分類して、サイズの指標として掲載しています。
・小型は直径3.5センチ前後もしくはそれより小さなもの
・中型は直径4センチ前後
・大型は直径4.5センチ以上

おおむねこのような大きさで分類をさせていただいていますが、時計によって厚みに違いがあり、感覚的に実際のサイズよりも大きく感じるもの、また小さく感じるものもあるため、必ずしもこの基準にすべてを当てはめているわけではありません。

懐中時計の大きさの分類

当店では三種類に分類させていただいていますが、製造されていた当時に、このような分類はありません。
時計製造の本場であったスイスの公用語の一つであるフランス語によるLigne、アメリカではSizeという単位で、機械やケースのサイズが細かく分類されていました。

懐中時計のサイズの違いによる感覚

実際に手に持った写真をご用意しています。
上記の三つの懐中時計が、掌に載っているところをご覧ください。
それぞれのサイズで、どのように手に収まっているのか、サイズの違いを感じていただけるはずです。
懐中時計選びのご参考としてご利用ください。

 

小型

小型のものとしては、直径3.5センチ前後が一般的です。
親指、人差し指、そして中指の3本の指で持っていただける程度の大きさです。
サイズの小さなものではありますが、最も装飾が綺麗に施されていることの多いサイズで、美術品や芸術品と呼べる素晴らしいものがあるのがこのサイズの懐中時計の特徴です。
大きさや重さからも、非常に持ち運びや携帯性に優れていて、現代でもご使用いただきやすい、ポケットに入れておきやすい実用的なサイズだと言えます。

サイズの比較・小型の懐中時計

 

中型

手に載せて、懐中時計を持っているなと、しっかりとした感覚を感じていただけるサイズです。
小型の懐中時計の装飾面の良さも残しながら、かつサイズも程よいもので、持ち運びや使い勝手も良いものです。

サイズの比較・中型の懐中時計

 

大型

手に持つとしっかりとした手応えのあるもので、大きさによっては、ずっしりとした重みすら感じていただけるサイズです。
古い大きめのスイス・英国時計には厚みのあるものが多く、重いものになると100グラムを超え、持ち運びや携帯性という意味では、使い勝手はあまりよくありません。
ケースに施される装飾も、サイズが大きくなると非常に甘くなり、美術品的な外観を持つ物が極端に少なくなります。
その反面、シンプルでがっしりとした印象のものが多くなり、男性向け・書斎机に置くといった用途に向きます。

サイズの比較・大型の懐中時計

懐中時計用チェーンのサイズと採寸箇所について

 

1本もののチェーンであれば、そのまま横幅を。

チェーンの幅の計測

2本・3本と、複線になっているものは、それをまとめた状態で計測しています。

複線チェーンの幅の計測

 

太さ

同系のチェーンと比べて、相対的に感じる太さの違いです。
あくまで感覚ですので、人によって感じ方は違います。

チェーンの太さの違い

 
 

次の記事を読む

 

お勧めトピック