
非常に珍しい透明の丸い球体ケース
アンティーク時計の中には、他には見ない特殊なもの・特別なものが存在します。
その点で言えば、この時計はそれに当てはまる特別な1点であることは間違いがありません。
写真をご覧頂くとお分かり頂ける通りで、まるで丸い球に時計が収められているような、そんな特別な外観を持つ1点です。
写真でも少しどのような状態で見えるのかというのがお伝えしづらいのですが、時計を正面から見ると、時計としてしっかりと見える、正面からずらして見ると、見え方も違うという作り。
カメラをご存じの方でしたら、魚眼レンズに似ているもの、「魚眼レンズ」で検索して頂くと、少しその見え方がお分かり頂けるかもしれません。
時計の本体といいますか、中央部分は真鍮のケースになっていて3ピース。
本体を留める中央部分、そして両面の大きな半球体風防を留めるための表蓋にそして裏蓋。
裏蓋の部分には一か所だけ小さな平面部分が作られていて、この部分を下にすることで、平面に置くことができるようになっています。
また裏側も球体で透明ですので、機械が動いている状態も見ることができるというのも特別です。
英国空軍用の懐中時計
この時計の元々の由来は、英国空軍の航空機搭載用として納められていたもの。
文字盤にはメーカー名が入っていませんが、その理由は、当時、他の有力メーカーにも同系モデルで製造を依頼されていたため、表に記載されている識別番号からメーカーが特定できるという形になっています。
この時計にあるのは「CB」で、この記号がゼニスで作られたものの識別番号。
当時の軍用時計としては珍しいもので、視認性を高めるための「蛍光塗料」を意図的に使用していないタイプで、「NON-LUMINOUS」と文字盤に表記があります。
本来であればこの時計は、英国軍発注の通りMARK Vの仕様に沿って懐中時計型もしくは航空機搭載型になっているはずですが、この時計は非常に重みのある球体型になっている特別製。
どのような由来があってこのようになっているのかは、今になってはわかりませんが、考えられることとしては、この時計だけ執務室で使われるためにこのようになっている、または軍機の退役に伴ってこのように作り替えられたものであるのか、そこは歴史の浪漫というところかと思います。
ただ1つ言えることは、このようなケースを作ること自体が、当時もそうですが現在でも非常に難しいということ。
ケース自体の作りがこの機械に合っていなければならず、さらに球体の表側・裏側をケースにしっかり収められる形であること。
そしてその上に、時計を見た時に、この球体がちょうど文字盤を面いっぱいに表示させるように作られていること、ここまですべて計算の上に作られていなければならないからです。
表蓋を外した写真も掲載していますが、ケース自体の幅は6.6センチほどですが、機械自体の幅は4センチほどしかありません。
ただ単に普通の風防を取り付けただけであれば、表蓋を外した状態のように、幅が違いますので機械と回りの広いケースのふちが外側から見えてしまいます。
球体になっていることで、まるで文字盤また裏側の機械も、ケース幅いっぱいまでその幅があるように見えるようになっています。
ケースそのものの写真をご覧頂くと、その作りやデザイン・質感まで、年代を感じるものであることがお分かり頂けるかと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
英国軍用時計に由来を持つ、非常に珍しい形のゼニスのアンティーク。
同系の懐中時計自体もとても珍しいものになりつつありますが、このような形のものはほとんど出回りません。
コレクションとして事務机の上に置いておいても、気分が高まるものであることは間違いありません。
第一次世界大戦を発端に作られ始めたタイプですが、長い年月を経ても変わらない、経年によって魅力を増した1点と言えるかと思います。
重さ=値段ではありませんが、ずっしりとした360gという重さにも価値を感じて頂けるのではないでしょうか。
状態
特記事項はありません。
希少性
非常に珍しい1点です。
贈り物
贈り物としても非常にお勧めできる1点ですが、どちらかというと非常にコレクター向きの商品かと思います。
備考
–
































































