英国と米国の合作
ウォルサムと言えば、アンティーク時計では懐中時計でも有名なアメリカのメーカー。
文字盤にU.S.Aの文字が入っていることからも、その点がお分かりいただけるかと思います。
ただ時代的にスイス・アメリカ・英国は、それぞれの関係性や時代背景から、英国で販売される時計のケースは英国製、機械はアメリカやスイスといった具合に、懐中時計時代の古くから、英国向けに供給していた時代がありました。
この時計は、そんな時代背景が楽しめる、英国と米国の合作。
金無垢のケースには英国のBRITISH MADEの文字とホールマークの刻印。
当時の二大巨頭ともいうべき国の合作という点で、それぞれの国の強みや制度、またプライドなどがのぞく、歴史的な背景の面白い1点です。
カジュアルに楽しむ「ちょい悪オヤジ」
時計のスタイルが大きく変わりつつある40年代にあって、一世代前のクッション型のケースと、ワイヤーラグタイプのベルトの留め口を持つ作り。
本来なら、バネ棒タイプのバンドの取り付け口に変わっているところですが、あえて一世代前の形を残しているところに味があります。
第二次世界大戦の翌年である1946年のもので、当時の軍用仕様のものであったものかもしれませんが、カジュアルな雰囲気を楽しめる1点。
時計のスタイルや時計の顔である文字盤のスタイル、センターセコンドという秒針が中央にある形からも、カジュアルなジーンズにもとても良く似合います。
ベルトはワイヤーラグ式のものが必要になりますが、NATO仕様と呼ばれる、1本もののナイロンや布製のバンドで、時計の裏側を通して使っていただくタイプのものにしていただくのも一興。
カジュアルさを求めていただくと、そのような形で楽しんでいただくのもお勧めです。
程よい経年変化も出ていますので、アンティーク感も合わせて楽しめる良い雰囲気のものです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
ちょうど戦後という時代的なこともありますが、文字盤の数字やインデックスのスタイルが何とも言えない雰囲気を醸し出しています。
フォーマルなスタイルが多い無垢の時計にあって、ジーンズなどに合わせて楽しんでいただけるのは貴重なもの。
シンプルなデザインの中にも、この時代らしさがあって、落ち着いた大人向けのカジュアルさを楽しんでいただけるデザインになっています。
状態
文字盤に若干経年変化が出ていますが、程よい古さを感じさせてくれるという点では、良い方向に出ているものかと思います。
希少性
こういった金無垢のカジュアルな雰囲気の時計自体が比較的少なく、あまり入荷しないものです。
贈り物
時計の雰囲気やデザインからも、現行品の新しい時計や、誰もがお持ちになられているという定番からは、良い意味で少し外れたスタイルです。
お持ちの時計をご覧いただいて、そこに無いタイプであれば、この時計を使っていただく価値を見出していただける可能性が高いと言えるでしょう。
贈り物としては、少し文字盤に経年変化が出ていますので、こういった古さを楽しんでいただける方にお勧めしたいものです。
備考
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