IWC 艶のある上品な銀無垢アンティーク懐中時計 【1927年頃】

古さではなく「その良さ」を楽しむ

アンティーク時計と言えば、作られてからすでに何十年、ものによっては１００年ほど経っているものをご想像いただくことでしょう。
歳月とともに劣化した姿、そして使い込まれた姿を楽しむ。これもアンティークの醍醐味。
でもその「古さ」を楽しむという点においては、好みではない部分に「目を瞑る」という側面があることも否めないかもしれません。
そこにはその骨董品が経た歳月が生み出す風格というものもありますが、その品物の作りや雰囲気に、求めるものの本質があるとすれば。
状態良く仕上がっているものを、自分の好みを表現するものとして楽しんで頂くほうが、より好みに沿うものであるかもしれません。

このＩＷＣの懐中時計は、この時代ならではという、そんな作りの良さや雰囲気の良さを楽しんでいただける１点。
懐中時計時代という、アンティーク時計と呼ばれる時代のものだからこそ、そして色々と手を掛けられた時代だからこそという様々な趣向。
そしてその長い年月とともに育った、ＩＷＣというブランドとしての価値を合わせて楽しむ。
なんとも贅沢なものではないでしょうか。

上品さと風格ある作り

懐中時計としては、ぱっと見た感じでは、シンプルなものだと感じられるかもしれません。
こちらの商品をご覧いただいているのは、そのようなスタイルでありながら、写真をご覧いただくだけでも、どこか引き込まれるような魅力を感じられたのではないでしょうか？
一目見ると後ろ髪を引かれるような、時計が語り掛けてくるような良い雰囲気、「見せるための」上品で落ち着きある姿。
それがこの時計の大きな魅力の１つだと思います。

「渋み・味わい・陰影の妙」、絵や言葉には表せない雰囲気の良さは、そこにあるだけでニヤッとしてしまうような満足感を与えてくれる。
シンプルながらも計算され尽くされているかのように表現された、丁寧な懐中時計のその作り。
側面からの写真をご覧いただくとお分かりいただけますが、表側の枠には細かなコインエッジが切ってあり、それはまた裏側の枠の部分も同様に。
そして裏面はそのコインエッジのデザインを受けるかのように、縦に綺麗なストライプの模様が入っています。
同じく側面をご覧いただくと、そこに見えるのは、アンティークならではというケース装飾。
「側面」といえば、さして重要ではないように思われるかもしれませんが、この時計の作りでは、ケースの側面が際立って見える作りになっていて、この装飾がとても映えます。
そして時計を掛けるためのリングの部分にも同様に、綺麗な装飾が施してあり、ケースの側面の模様と合わせて、デザイン的な統一感・まとまりが生まれています。
また機械の写真もご覧いただいてもわかりますが、その美しさは、作られた当時からタイムスリップをしてきたかのように綺麗で、宝石の美しさすら感じさせるような輝かしさをいまだに保ち続けています。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A+

デザイン的には一見してシンプルですが、その実非常に見どころ・味わいが多く、飽きのこない作品であり、見ていただくたびに引き寄せられる魅力のあるものです。
年代的に他のメーカーでは厚めの機械が多い時代で、このように薄めの機械を作っていたのも高級メーカーならでは。
その薄さぴったりといえるケース、そしてその薄さと作りを活かしきった、ケースのデザインも本当に特筆もので見事の一言です。
状態良くまたデザインもよし、そしてそこから伝わる雰囲気の良さがもっと良い。
長くじっくりと付き合っていただきたい、人生の伴侶になる懐中時計といえるものでしょう。

状態　A+

とても良い状態で申し分ありませんが、わずかに秒針回りに擦れ跡があります。

希少性　A+

メーカーとしてはこの年代に作られた数も少なく、装飾のあるデザイン的にも珍しいものです。

贈り物　S

高級時計メーカーであるＩＷＣ製であり、状態の良さや作り・雰囲気の良さが非常に良い１点です。
秒針回りの擦れが若干ありますが、それを除けば、感動していただける贈り物になるかと思います。

備考

–