大切にされていた「時計の形」
今から100年以上前のこと、シャーロックホームズなどの映画にみる、コートを羽織った紳士とドレスを着た女性、そして石畳の道路を馬車が走る風景。
この時代を題材にした映画をご覧になられたことがある方なら、家に戻った紳士がおもむろに懐から取り出した懐中時計を開く、時計を書斎に置くといったシーン、ご覧になられたことはありませんか?
そっと目を閉じると、そういった風景が思い浮かべられるのではないでしょうか。
アンティークの懐中時計が使われていたのは、ちょうどそんな時代のこと。
古さの中にも、品格と風格があり、そして家や調度品にも歴史が感じられる。
そんな調度品の中に、このケースに収められた懐中時計が並ぶさまは、そのシーンの中に溶け込むように入り込んでいくものではないでしょうか。
こだわりが形として作られていた時代のもので、そこには何とも言えない雰囲気の素晴らしさがあります。
美しさと実用面を併せ持つ
このロンジンの懐中時計は、収納されているケースとともに英国で見つかったもの。
書斎に座る紳士が想像できるような、その時代背景をよく伝えている懐中時計です。
この時計の時代背景を考えて、その当時の姿を想像するだけで、ドキドキされませんか?
もちろん懐中時計が高価で大切にされていた時代のものですが、時間をみるという実用面だけでなく、それを見やすく立てておける、そしてかつ装飾面でも品の良い家具やインテリアのように飾っておける。
この時代ならではのものですが、しっかりと手を掛けられて、その価値以上に「時計を楽しむ」ことができるように仕上げられています。
懐中時計自体は、当時も高級ブランドであったロンジンの銀無垢時計。
ケースの全面に施された装飾は、まさにアンティークならではといったもので、銀板を加工した非常に雰囲気の良いもの。
デザイン的な美しさはもちろんのこと、長い歳月によって培われた深みのあるいぶし銀、そして四隅に見える小さな釘すらも、この歳月を経た深みのある姿になった時のためのものであったかのよう。
「100年もののアンティーク」という言葉がぴったりくるような、とても自然な姿をしています。
懐中時計のそれ自体のデザインとしては、シンプルではありますが、それだけに時代を超えても飽きの来ない作りであり、よほど愛着のあった時計だったのでしょう。
品の良いとても綺麗なケースに収められているもので、ケースの状態などを考えても、とても綺麗に使われていたもののようです。
毎日時計を巻き上げそしてケースに収める。
なんともいえない、その当時の姿や空間が、この時計から流れ込んでくるかのようです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
現代でも時計にこだわるというのは、ごく自然なことで、100年前も同じく「時計を楽しむ」ために、今以上の形がありました。
時計にこだわることはもちろん、それを置いておくところにもこだわる、時間を見るという点において、置時計としても使えるといった実用面も考えられたもの。
この時計が机の上に置かれているだけで、そこで過ごす時間が特別なものになる、ついつい眺めてしまうという贅沢な過ごし方のできる1点だと思います。
時刻合わせはダボ押し、時計の右肩付近にある、小さなボタンを押してからリューズを操作するタイプです。
ぜんまいを巻いて頂く、時刻を合わせて頂く際には、ケースから取り出してから、巻き上げていただく必要があります。
ケースも含めて非常に状態の良いものですので、ケースの出し入れなど丁寧に扱っていただける方、ゆったりと時間を取れる方のみにお勧めしたい1点です。
状態
収納ケースは経年による劣化がありますが、年代を考えると非常に状態の良いものです。
希少性
このスタンドのように作りの良いものは珍しく、ここまで状態の良いものというのも珍しく貴重です。
贈り物
ただ単に懐中時計だけを贈るのではなく、このケースのような装飾性や実用性も兼ね備えたものと合わせて贈られると、その品の価値をより感じていただけるものでしょう。
備考
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