年代物ロンジンの持つ美しさ
現代からは、もはやゆうに100年以上前という時代に作られた、アンティークの懐中時計。
その当時は、まさに懐中時計の全盛期。
切磋琢磨されたメーカーに、ちょうど脂が乗って、ひと際優れた懐中時計たちがお目見えした時代でもあります。
精度が競われていた時代でありながら、時計としての作りの違い、そして懐中時計にも大きなデザインの変化が訪れた時代でもあります。
1900年頃といえば、もちろんすでに、鎧を身に着けた騎士が戦う時代ではありません。
そのような時代にあって、懐古的そして人々のあこがれでもある形をデザインとして、懐中時計に組み込んだもの。
アンティークが持つ、古きよき時代を伝える、素晴らしい姿であると言えるでしょう。
風格と品格あるデザイン
この時計の素晴らしいところは、ケース裏側の装飾デザインが、しっかりとした立体になっているところ。
写真をご覧いただいてもお分かりいただけますが、それぞれの装飾部分に厚みがあり、立体的な部分による陰影もお分かりいただけるはず。
騎士の兜はまさに兜らしく、とても立体感があり、躍動的でもあり湧き上がるような迫力。
英国や西欧などの王家や銘家の紋章や家紋に用いられるデザインで、盾もその一部に含まれますが、大きな盾の面に何も手が加えられていないのは、ここにイニシャルなどを入れるため。
このままの姿でも素晴らしいものですが、その持ち主の家格を表す紋章や、イニシャルを入れるために用いることができるデザインになっています。
この懐中時計のように、騎士と盾の品と風格のある組み合わせのデザインというだけでも珍しいものながら、立体的な装飾になっているものとなると、さらに珍しい希少品。
ケースに彫りのある懐中時計は、それ自体珍しいものではありますが、見ないものではありません。
それに比べて、この懐中時計のように、ケースのデザインが、立体的に作られているものとなると、話は別でまったくの別物。
彫り物と立体的に作り上げるのは別物で、彫り物は後からでも技術のある職人がいれば彫れるという点から考えると、その数は極端に少なくなります。
時計の顔である表側も、陶製の文字盤にブルースチールの針と、アンティークならではのもの。
時計の表側を眺めても、また裏側を眺めても、アンティークの味わいが楽しめる貴重な1点です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
明らかに作りの違う特別な1点物。
騎士に盾という、アンティーク好きにはたまらないデザインでありながら、それが立体的になっているのは出色。
ロンジンの懐中時計としても非常に古いもので、まだまだ年間を通して作られていた数自体も、非常に少ない時代のもの。
希少な作りのものでもあり、特別な1点であることは間違いありません。
状態
盾の部分に少し凹みがあることと、ケース自体には摩耗と劣化が若干見て取れます。
ただ100年を超えた年代物、特別な作りを持ったものと考えると、気にしていただく程度ではないものです。
この古さという雰囲気も、楽しんでいただくべき価値でしょう。
希少性
デザインの構図や作り自体が特別で、とても希少な1点です。
贈り物
この当時、優れた技術を持っていたことで知られるロンジン。
特にアンティークでは、アンティーク時計をお好きな方が、一押しにするメーカーでもあります。
時計の作りやデザイン的に非常に優れたもので、若干の劣化こそありますが、プレゼントされた時に、この立体的な装飾やモチーフ・構図の素晴らしさというのは、感動を覚えてもらえるものだと思います。
備考
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