「良い感じ」の懐中時計
懐中時計が時代としてはその終わりに近づく、1920年代の終わり、日本では昭和初期。
時計といえば懐中時計という時代から、腕時計へと移り変わる過渡期にありますが、長く続いた懐中時計時代。
懐中時計の形は大きく変わることなく、このオメガの懐中時計も、その定番の形を伝える、懐中時計らしいイメージ通りの懐中時計。
銀色の大きめのサイズのケースに、白色の文字盤にブルースチールの針。
コチコチとしっかりと音を立てて動くさまは、明治・大正期の古い時代の息吹を感じさせ、昔ながらの良さが伝わってくるようです。
金属製という良さ
懐中時計と言えば、その当時は指輪のように価値のあるもの。
指輪に貴金属を用いて、さらに特別な価値を持たせたように、懐中時計でも同様に、ケースには金や銀といった貴金属が使われることが定番でした。
ただ実用面という点から言えば、金や銀は素材として柔らかかったり、高価であったり、変色が起こるという点があり、新たに好まれるようになったのは、現在のステンレスのように、ニッケルなどの錆びない・変色しない素材。
この懐中時計は、変わらないその当時の特色を備えながらも、時計本来の「時刻を見る」という目的に沿った普段使いの1点。
しかしながら長い歳月の経過とともに、こういった実用的な1点も、アンティークとして魅力のあるものになっていく。
これがアンティーク時計の魅力でもあります。
店主のワンポイントと評価
総合評価
作られた年代的にも、すでに約100年が経過している本物のアンティーク。
針の形であったり黒一色の数字やインデックスの色味、昔のオメガのマークなど、見て頂く「モノ」として楽しい作り。
当時の定番の形ではありますが、12時の次は外側の小さな13・14~24時と続く数字も、時計が時間を見るものであったことを再確認させてくれるもの。
携帯電話を見れば時間がわかる時代だからこそ、ひと手間かけて時間を楽しむ。
ちょっと大人の楽しみ方だと思いませんか?
状態
写真ではあまりわかりませんが、ケースの裏側に軽い窪みがあります。
希少性
作られる数自体も少なくなり始める頃ですが、文字盤などの素材は昔と変わらずでしたので、状態の良いものは少なくなっています。
贈り物
懐中時計時代ならではの特徴があって、サイズや重さとしても使って頂きやすいサイズかと思います。
すでに約100年が経過しているとは思えないほどで、贈り物としてもお勧めできる1点です。
備考