オメガのアンティーク、そして上を行く特別さ
今やだれもが知るオメガ、そしてその腕時計。
高級な店構えのオメガのショップ、そして百貨店の中での店構え。
腕時計をするならと、誰もが考えられたことがあるメーカーの1つかと思います。
「マスター」シリーズ等、これを着けておけばという定番でもあり、思い入れのあるメーカーであるかもしれません。
しかしながら、この時代の腕時計よりも、さらに面白く奥深い世界がオメガにはあります。
その世界にぜひ少し足を踏み入れてもらいたい、きっと面白いと感じて頂けるのがこの懐中時計。
テレビ番組などでお宝を探すといった時に、登場してくる懐中時計を思い浮かべて頂くと、誰もが思い浮かべる、いわゆる定番といったイメージの懐中時計ではないでしょうか?
この懐中時計は、きっと良い意味で、そんなイメージや固定観念を覆してくれる1点かと思います。
文字盤の金色は派手過ぎず、中央の細かな凹凸ある装飾に光が当たると、その面がとても綺麗に輝くという、そんな特別な作り。
赤い塗料で表現された13~24の数字は、時計を24時間表示させるために加えられたもので、ずっと12までの数字であったものを、既存の製造方法を変えずに表現されたもので、塗料であるがゆえに少し落ちている部分もありますが、なんとも愛らしい、その時代を感じられる作りだと思われませんか?
色鮮やかな見た目の懐中時計ですが、素材は実は銀製。
ローズ色になっているのは、これもこの時計が作られた頃のわずかな時代に用いられたもので、ローズ色の金を表面に施すことで、このような色になっています。
ケースの裏側も同様に、縁取りをするようにローズ色が配され、中央には盾形の紋章のような模様が施され、周りを細かな装飾で囲んでいる、とても雰囲気のある作り。
どこにでもある懐中時計とは違い、一線を画した特別感ある作りが特徴の1点です。
年代が分かる年代もの
ケースの裏蓋を開いた写真も掲載していますが、そこにはオメガの受賞歴が12個の金のメダル上に表現されています。
またその下には、1911/417と刻印されていて、これが贈られた日付を表しているものかと思います。
日本では1917年4月11日のように、年月日の順に並びますが、西欧では日月年と並ぶことが一般的です。
またこの時計の彫りでは数字の並びの両側、19と17が大文字で書かれていることから、時計の製造年と照らし合わせても、これが贈られた年、それに挟まれた11/4が日付、4月11日と考えられますので、ここに彫られているのは1917年4月11日と考えられます。
このような時代背景が分かる彫りがあるのも、この時計の価値であるかと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
この当時の時計は、まだまだ各社が精度を競っていた時代ではありますが、それと同時に、どのように時計に特別さを持たせるのかを競っていた時代でもあります。
当たり前の定番である、白色の文字盤に銀色のケース、定番ではありますが、その先に行こうとの試みがこのような懐中時計のデザインとして残っています。
定番でないがゆえに出会うことも少ないものになりますが、それだけに希少さもあって、「試み」という点で面白さが詰まっているのも大きな特徴。
陶製の文字盤が割れていなければ状態良く残っているのに比べると、このような色文字盤で綺麗な状態というものは珍しく、サイズとしても大型、色味・デザイン、さらにメーカーという点でも楽しんで頂ける1点かと思います。
状態
若干軽く文字盤に経年劣化はあるものの、これ以上望めないほど状態の良いものかと思います。
ケースの裏蓋にも軽いくぼみはありますが、ローズ部分の摩耗なども少なく、装飾面も良く、全体的にとても良い状態だと言えます。
希少性
色味や作りという点、それを兼ね合わせて状態面でもとても良いもので、あまり見ない珍しい部類に入ります。
オメガの懐中時計ということだけでしたら、白色文字盤のものがお手頃ではあります。
贈り物
「これが懐中時計、しかもオメガの?」と思って頂けるような、そんな特別感を持つ1点です。
贈り物としても、現代だからこそ、さらにその価値を見て頂けるという点で、とてもお勧めできる1点です。
備考