
仕事をしながら運転をしながら楽しむオメガ
アンティークの腕時計の初期頃のものに、たまに見られる形の1つ。
リューズの位置が通常の3時ではなく、12時の位置にあることをお気づきになられましたでしょうか?
当たり前にリューズを右側にして時計を見ると、文字盤が横向きになって時刻が見にくくなります。
このような形のものは、ドライバーズウォッチと呼ばれますが、車のハンドルに手を置いた状態で腕時計を見ると、12時の位置が上にきて時刻が見やすくなる作りになっています。
普通の一般の腕時計は、時計を腕にした状態で、腕を曲げて目の前で時計を見ることを想定されているため、ほとんどの時計は3時の位置にリューズがあります。
このような形のものは、当時としても特殊なものですが、現代から見ると、変わっているだけではなく、実はとても「オイシイ」魅力になります。
事務やパソコンでの仕事をされている方であれば、腕を机の上に置いて作業をされるのではないでしょうか?
そのように手を置いて頂くと、12時の位置が上になるため、この時計の場合は、時刻の確認がしやすくなります。
電車の中で吊革に掴まる際もまたしかり。
「あれ?この時計、なんだかどこか変わっているな?」、そう思わせることが出来たら、もう貴方のこだわりを「見せた」ことと同じ。
自分で時計を見ることも楽しいことながら、人に見せて楽しむというのもアンティーク時計の楽しみ方。
オメガの100年もののアンティーク、そして作りやデザインも違うとくれば、見る・見せて楽しむことのできる魅力ある1点であること間違いなしです。
黒金装飾、ニエロ
この時計のケースですが、ちょっと変わった装飾が施されていると思いませんか?
ケースの表面そして側面、また裏側にもその特殊な色合いと模様をご覧頂けるかと思います。
いぶし銀という言葉が似合うものですが、これも今から100年ほど前まではジュエリーなどにも使われていた技法で、黒金装飾・ニエロと呼ばれています。
銀のケースに凹凸のある溝・装飾があり、その溝の部分を埋めるようにいぶし銀の装飾が入る。
いぶし銀の部分を綺麗に落とすと、それはそれで銀の装飾が楽しめるケースになるのですが、単なる銀だけではなく、銀に映えるいぶし色を合わせた装飾を楽しめるという点、これはアンティークならではの魅力。
現代では使われることのなくなった技法ですが、古い年代のアンティーク時計で当時の技法を楽しむことができる、これはなかなか格別な味わいです。
作られた時代としても、腕時計としてはまだ初期頃に当たるため、時計のケース自体に懐中時計時代の名残を色濃く残しているのも特徴の1つ。
表蓋そして裏蓋は2重蓋という、当時のオープンフェイスと呼ばれる、当時の懐中時計そのままの作り。
そしてこれも初期の腕時計に見られるものですが、ワイヤーラグ(バンドを留める部分)がワイヤーのようになっていて、そこにバンドを巻き込んで留める作りになっています。
時計の顔自体も、当時のオメガと比べても非常に印象深いもので、オメガの名前の下にはスイスの文字。
そして時計の長針と短針もローズ色で、これもまさにアンティークという、ちょっと特殊な作りと太さになっているのもまた魅力です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
この時計を身に着ける時、どうやって見せたら面白いかな?とご想像して頂けるかと思います。
昔もそうですが、パソコンの操作等、現代でも机の上に手を載せて仕事をする、特に事務系のお仕事ではそのような時間が長いのではないでしょうか。
そんな時に、当たり前の形ではなく、手の指のほうに12時の位置がある腕時計なんて、とてもお洒落だと思いませんか?
電車の中で満員電車に揺られて、吊革を持つその手には、どこか雰囲気の違う腕時計がある。
その時計を見て「何が違うんだろう?」とその違和感の正体に気づくまで、きっと時間があるはずですが、見た方が「なるほど」とストンと落ちる感覚を味わって頂けるものだと思います。
時計の裏側の装飾も非常に特殊で、時計を外して置いておくなら、裏側にして置いておく、そんな見せ方も面白いものです。
時計の裏側の黒金装飾・ニエロ部分ですが、少し表面が荒れているのが写真でご覧頂けるかと思います。
これは補修の際に熱のかけ方を間違って行ってしまったために起こっているもので、裏蓋自体も開かなくなっていました。
そのまま廃棄・部品取りにしてしまうにはあまりに惜しい時計であったため、こちらの技術者が改めて、再生を試みて蝶番部分も復元しています。
不死鳥のように復活を遂げた腕時計ということで、ちょっと数奇な運命を辿って貴方のもとへ届くというのも、面白いエピソードではないかと思います。
状態
ケース裏側のニエロ部分(いぶし銀)に荒れている部分があります。
また文字盤の中央付近に非常に小さな欠けがありますが、ごくわずかで時計自体の希少性も考えると、気にならない部分かと思います。
希少性
そもそもの数自体が非常に少ない希少品で、ほとんど見かけるものが無いほどです。
贈り物
デザインや作りとしても、12時の位置の違い、そしてその楽しみ方等を考えると、贈り物としても非常にお勧めのできる1点です。
状態面でご案内している点がありますので、その点をアンティークだとご理解頂ける方にお勧めします。
備考
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