遊び心を感じるアンティーク
懐中時計用のチェーンとしては、非常に珍しい作りを持ったもので、いわゆる「チェーン」というスタイルとは、まったく違った形になっているものです。
西洋アンティークには、杖などの先端に動物の頭を施したものがありますが、まるでそのスタイルを彷彿とさせるもの。
懐中時計のチェーンの先端が、犬の頭の形になっていて、クルクルと回る首輪があり、その先にはネームプレートがあるという、「愛犬」という言葉をイメージさせる作り。
犬が形取られた頭の部分、そしてそこから伸びる円筒状の部分。
そして本体であるチェーンの部分、さらにボタンホールに通すT字バーに至るまで、とても特殊な装飾が施されているものです。
モチーフになっているような愛犬を飼っていらっしゃる、もしくは思い出をお持ちであれば、その想いを形にして使っていただけるもの。
非常に豪華な作りではありますが、シルバーという色柄ですので落ち着いた雰囲気を持っているものでもあります。
懐中時計を合わせていただくなら、小型から大きめの中型程度まで幅広く合わせていただけるものです。
ほとんど見かけない特殊な作りのものですので、年代の特定が難しいものですが、1920年頃のものではないかと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
たくさんの時計やチェーンを扱っている当店でも、同じ形のものをほとんど見ないような特別品。
銀色ではありますが、一般的な金属へのメッキという素材になりますので、素材的な質という意味では、写真で緑青などがご確認いただけるように、経年変化を受けてしまうものではありますが、それを差し引いても、有り余るほどの良さ・個性が見える1点です。
英国紳士のように杖・スティックを持ち、そしてその胸にはそのイメージにぴったりのチェーンを合わせる。
まるで映画にでも出てきそうなほど、雰囲気のよい作りです。
状態
メッキ素材になりますので、緑青・錆びなどが見えますが、素材や年代を考えても状態の良いものです。
年季を感じる作りになっていますので、そのような劣化も良い味として加味されるかのようです。
拡大した写真を掲載していますが、頭部に一か所、穴の開いている部分があります。
希少性
特殊な作りで、本当に数が無いものです。
贈り物
ベストやジャケットに合うという意味では、これ以上の作りはありません。
ただ経年による劣化や素材的な面から、そのような点をご理解いただける方にのみお勧めします。
備考
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