ブランドと職人のこだわりが見える銘品
この時計がショーケースに飾ってあったなら。
店員さんがいなければ、しばらくずっと眺めてしまいたくなる、そんな素敵なジュエリーであることは間違いありません。
時計とブローチから湧き出るような印象に時計に恋をしてしまうような、心を捕えられてしまうような感覚に陥ってしまうことでしょう。
ジュエリーやシルバー製品を主に手掛けていたティファニー。
昔からジュエリーの1つであった時計、そしてティファニーのお家芸であったシルバーの2つが組み合わさった最強の組み合せであるといえるでしょう。
現代のティファニーが高級ブランドとして確立された理由、そしてティファニーのジュエリーにどうしてそんなに人気があるのか。
それらの理由を100年の時代を遡って知ることができる、そんな素敵なティファニーのアンティーク時計です。
この時計の魅力は、語らずとも写真と商品自体が物語ってくれるというもの。
時計にびっしりと彫り込まれた、ただ素晴らしいと感じる心地よい彫り物。
その模様は、精巧さがあるようでどこかいびつ。
まるで描かれた絵画のように、どこか人の温かみを感じることのできる。
そのような仕上がりになるのは、一つひとつが手作業で作られたものであるから。
機械彫りのように、緻密で精巧・間違いの無い彫り物もそれはそれで素晴らしいものですが、職人技の魅力とは、失敗が許されないその1点と対峙して、最初から最後までを仕上げぬく。
そこに生まれる、人と物との対話である形であり線であり、その一瞬にしか生まれない出来映えに価値があります。
まさにこの世に1つしか存在しない1点もの。
小さな時計でありながら、さすがはティファニー。
見事に均整のとれた美術品のように仕上げられています。
また時計に合わせられているシルバーのブローチにしても、デザインセンスが本当に群を抜いています。
時計との組み合わせは素晴らしく、時に時計よりもブローチが映えて見えるほどの作りの良さ。
ティファニーのあるアメリカの銀のホールマーク「STERLING」の刻印だけであるため、ティファニーのものであるかは断言できませんが、この時計と一緒に当店に来てくれたもので、この時計にぴったりと合ったデザインであることやサイズも見事に合っていることから、この時計と一緒にティファニーで作られたものであるか、時計に合わせて作られたものであることは疑う余地はないでしょう。
まれにみる豪華さと希少性を備えた、身に着ける美術品といえる時計。
100年を越えたティファニーのアンティーク。
まさに一生ものの宝物です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
紳士物としても婦人物としてもお使いいただける作りで、男性ならラペルピンとしてスーツやベストに、女性ならブローチとして。
その姿が本当に豪華で立体感があり、銀のピンの部分のデザインの素晴らしいことはもちろんのこと、それに負けない彫りの良さを見せる懐中時計。
存在感がとても素晴らしい、まさに身に着ける美術品です。
ティファニーの名が現在までその価値を下げないのは、こだわりを持ったブランドであったから。
一時は自ら時計の製造をすることも試みたほどで、その後も一貫して信頼ある高級時計メーカーの機械を採用し続けたことからも、他の高級ブティックブランドとは大きく一線を画します。
この時計の機械も、当時の一流時計ブランドであったロンジンによってティファニー社のために作られたものです。
現代でもスイスの時計博物館で創業当時のシリアル番号を管理するほどの一流ブランドであるロンジン。
そのメーカーによって作られたものであったことから、製造された年代も知ることができました。
この当時の一流同士の素晴らしいコラボレーション。
一流の名を欲しいままにするティファニーですが、100年の昔からそういう姿勢であったことがうかがい知れる一品でもあります。
状態
時計の内蓋に少し色むらが出ている部分がありますが、使っていただく際には見えない部分で、年代を考えると気にしていただく点ではありません。
またブローチの裏側に一部補修した跡がみられますが、こちらも直されて大切にされたというアンティークの美点であり、気にしていただく点ではないでしょう。
希少性
メーカー・ブランドそして年代、またその作りからも1点もので、同じものは手に入りません。
贈り物
時計としてはとても特殊な作りで、用途・身に着け方が限られることから、どなたにでもお勧めできるものではありません。
ただ、しっかりとその目的と贈る方のことがよくわかっているのであれば、これほど素晴らしい贈り物もありません。
とても良い作りのものですので、贈り物としていただくよりも、ご自身でお使いいただくことをお勧めしたい1点です。
備考
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