蓋を開けずに時間がわかるハンターケース
懐中時計のスタイルといえば、すぐに文字盤が見える・時間を確認できる、オープンフェイスと呼ばれるタイプを思い浮かべられる方が多いのではないでしょうか。
良く知られているタイプとしては、もう1つはハンターケース。
こちらは時計のガラス面を保護するために、文字盤側に蓋が付いていて、蓋を開いて時間を確認するタイプになっています。
ではこのどちらの利点も併せ持った時計があったら?
そうです、それがハーフハンター(デミハンター)、日本語に訳すと半分だけハンターケースということになります。
そして実際にオープンフェイス、そしてハンターケースの両方の利点を併せ持っているのがこのタイプ。
時計の文字盤側に蓋は確かにあるものの、その中央に小窓を設けてあるため、長針と短針がそこから見えるようになっています。
そしてその小窓から見える針が、どの時間を指しているのかわかるように、ケースの蓋自体に時間と目盛を付けてしまったのがこのハーフハンター(デミハンター)とも呼ばれるタイプになります。
オープンフェイスだとガラス・風防が割れやすい、ハンターだと蓋の開閉が煩わしい。
このデメリットを軽減しつつ、それに見た目のデザイン性を高めたのがハーフハンターの面白さ。
アンティークの懐中時計、そのらしさをしっかりと備え、そのデザインとしても特殊性を感じられるものです。
英国に渡ったウォルサム
ウォルサム自体はアメリカのメーカーですが、中には英国に渡った機械もありました。
当時の英国で主流であった、英国製の大きく重厚な銀無垢のケースに収められたのがこの懐中時計。
直径にして約5センチ、重さは100グラム超え、年代にしても100年超えと、語るところのあるアンティーク。
英国紳士好みのハーフハンターケースの蓋付きで、ケースの側面にはコインエッジが切ってありますので、しっかりと個性も魅力も備えた1点。
写真ではちょっとご確認頂きにくいのですが、ケースの蓋にある数字・目盛は、実は黒ではなく濃紺。
実物をご覧頂かなければわかりづらいのですが、これは銀時計として見た時に、銀色にとてもよく似合う色合いです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
大型でサイズ的にとてもしっかりとした存在感のある作り。
文字盤とケースのローマ数字に、シンプルながら特徴的な針の形と、くっきりシンプルなWALTHAMの文字。
アンティークらしい楽しみのあるデザインになっています。
ケースに凹みなどが見られますが、雰囲気の良い1点で、これらは時計の味として楽しんで頂けるものかなと思います。
状態
写真でもご確認頂けますが、表側の6時・10時の外側、裏側は写真で色味が変わっていますが、複数個所に渡って凹みがあります。
それ以外はとても綺麗な1点かと思います。
希少性
オープンフェイスやハンターケースに比べると、作られた数自体が少ないため、あまり目にしないタイプです。
贈り物
大きさや雰囲気から贈り物としてもお勧めはできますが、ケースに凹みがありますので、その点をご理解頂ける方にお勧めします。
備考