
3世紀をまたぐ、違いが見える美しい作り
アンティーク時計を見て頂く際に、1つ考える点は「年代」その古さ。
「何年物」といったビンテージ品、アンティークの楽しさもその1つ。
この時計でいえば、作られてから100年以上、世紀でいえば3世紀に渡る歴史のある1点。
古いというのも時計を選ぶポイントの1つですが、こちらがお勧めするとすれば、ただ古いだけというよりも、そこに、「これだけ古いものだからこそ」という魅力を持っているものをお勧めしたいところです。
このウォルサムの懐中時計は、そういった点では、見た目にも見えないところにも、ちょっとした隠れた特徴を持つ1点。
やはり一番の魅力と言えるのは、写真でもご覧頂ける、非常に綺麗なケース装飾。
彫りの味や細やかさというのは、ご覧頂いてとても面白いもの。
10年・20年、アンティークからすると比較的短い期間ではありますが、少し年代が新しくなると、こういった彫りも変わっていきます。
こちらのケースのような、グイっと差し込むような鋭い手彫りの強弱、そのあたりは年代から来る作りの良さであると言えます。
古さゆえの珍しさ
ウォルサムの懐中時計でいえば、この手のサイズが、当時のいわゆる一般的に「小さな」サイズと言われるもの。
そういった時計のサイズを0ゼロサイズといいますが、実はこの懐中時計、当時としては珍しい1サイズ。
一般的には、0・6・12・18というのが定番ですが、この1サイズはいわゆる規格外・定番から少し外れたサイズです。
見た目には0サイズに近いのですが、若干大きめになっていて、作られた年代としても非常に短かったものになります。
現代でも同様ですが、ケースメーカー、部品などの関係で、定番にはならなかったものかと思います。
見えないところですが、そのような面白さもある1点になります。
店主のワンポイントと評価
総合評価
ケースの彫り・装飾が表裏・側面とほぼ全面にしっかりと入ったもので、懐中時計としてはとても魅力のある作りです。
リューズ部分を押して蓋を開く、ハンターケースと呼ばれる作りなのも使うという点では面白いところ。
文字盤自体はシンプルな白色にブルースチールの針という定番ではありますが、組み合わせとしては、「アンティーク」らしさがしっかりと出ています。
年代の古さがとても良い方に出ているもので、これは写真ではうまく伝えることができませんが、ケースの素材としてもしっかりと厚みがある、WALTHAM自身の自社ケースということもあって、刻印の写真から少しお分かり頂けるかもしれませんが、後年のケースよりも、しっかりと金が使われていることがわかります。
状態
特記事項はありません。
風防に少し傷がありますので、ご希望の方は交換させて頂きます。
希少性
文字盤、機械、ケースともにウォルサムの名前を冠している珍しいものです。
当時のウォルサムは、当時の販売・時代背景から、機械とケースは別物という場合が大半です。
贈り物
素材や装飾の綺麗な懐中時計で、しかも素材自体もしっかりとした金時計。
贈り物として、とてもお勧めできる1点かと思います。
備考
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