エルジン 画家と絵描きのキャンバス 金無垢アンティーク懐中時計 【1886年製】

描くことに携わる方の宝物に

人に個性や好みがあり、それがファッションに反映されているのは周知の事実。
そしてそれは今に始まったことではなく、はるか古の時代から続く、世の中の嗜好を形に変えて表現されてきたものです。
この時計もいにしえの時代から続く、人々の姿や好みを形として表した代表的なものの１つ。

時計のモチーフとして、画家のキャンバスと絵筆を時計の両面に施し、それをデザインとして昇華させたもの。
この時計を所有する人のためだけに、その持ち主のためだけに、その人を表現するために作られた特別な１点。
他の誰でもない、その人が持つからこそ、そこにさらに光り輝く姿が生まれ、その時計が作られた意味を明確に表してくれる。
持ち主の姿が時計から浮かぶ、持つべき人の姿がそこから浮かんでくるような、時計の神々しさすら感じられるものです。

１８００年代という時代的に非常に古い年代のものであるため、時計自体の作りとしても、その作りの良さがはっきりと形や素材として表れているものでもあります。
ケースは金無垢のとてもしっかりとした厚みと強度のある作り。
そしてケースの全面を見渡しても、そこには隙の無い細やかな装飾が施されているのが写真からでも伝わります。
両面ともに隙間なくびっしりと施された装飾に、ケースのふちや側面にも、見ていると引き込まれていきそうなほどの魅力が感じられる作りです。

また時計を開いてのぞく時計の顔、その文字盤もまさに芸術そのもの。
ごくわずかにその色がわかる程度の、うっすらとしたピンクのような背景色を外側に持ち、細やかに描かれた金彩模様が鏤められた非常に美しい逸品。
描くことに携わる画家や美術家の、描くことへのこだわり、そして美しさへの追及が、時計の内側にも表現されているかのようです。

表裏に描かれたキャンバス、片側に描かれた風景にもう一方には真っ白なキャンバスが残る。
そこに描かれるは何であるのか、その白いキャンバスに思いを馳せて楽しんでいただける特別な時計だと言えるでしょう。

店主のワンポイントと評価

総合評価　S

時計自体が持つ魅力が素晴らしいもので、この時代ならではの良さが際立つもの。
どなたにでもお勧めしたくなる、まるで美術品のような１点です。
ただ時計が持つその姿、そしてモチーフは、絵をお好きな方や描くことに携わる方のためのもので、この構図に惹かれて所有してもらいたい時計です。
それでこそ、この時計の価値がより引き立つというものだと思います。

描くという作業の中で、すっと時計を取り出して時間を見る。
人と会う時に自らの思入れを時計で見せることができる、創作する時間がより楽しくなる、この時計だからこその楽しみが大きく存在します。
描くことに携わる方がこの時計を持つ姿を想像するだけで、その姿の美しさを想像して嬉しくなるものです。

一般の方向けに万人受けするデザインのものは多いのですが、このように意図的に「ある人・あるもの」に対して作られた時計はわずかながらに存在するもの。
そこに表現されたデザインは、このデザインの意図を受け取ってもらえる方だけのものだと言えるでしょう。

状態　A+

特記事項はありません。

希少性　S

エルジンの中でも年代の古い希少な時代のもの。
古い時代だからこその作りの良さが際立ち、その作りやモチーフだけでも希少な１点です。

贈り物　S

どなたにでもお勧めしたくなるほどの、美術品のような素晴らしさを持つ傑作品。
誰に贈っても喜んでもらえることがわかりきっているものですが、この時計の作りの特殊性を考えれば、できればご自身の持ち物として、もしくは大切な方へのプレゼントとしてのみお勧めしたいものです。

備考

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