古さも併せて楽しみたい
綺麗で非の打ちどころのない、そういった時計も楽しいものです。
しかしながら、それでは「手に入らないもの」もあるのが、この世界の面白さ。
止まらない時計を当たり前のように着ける、それも1つの楽しみですが、映画のワンシーンに出てくるような、そんな時代の腕時計を着けてみるのも、時計の楽しみ方の1つ。
「新しい」ではなく、そこから滲み出るような「古さや風格」が楽しめるのがアンティーク。
この時計は、そんなアンティークの楽しみ方を提案してくれる1本。
100年ほどの時が流れているものでありながら、そこにあるのは、「傷み」ではなく明確な経年による「味」。
この長い歳月を経たものだからこそ、このような色合いであり、昔の時計だからこそという、形やデザインでの特徴を併せ持っています。
これがその時代の面白さ
現代のハミルトンをご存じの方なら、時計の形やデザインの違いに驚かれるはず。
どことなく通じるものがあるとすれば、蛍光の針や数字などのインデックス。
現代のハミルトンのカジュアルな腕時計のそんなスタイルは、すでにこの時代には確立されていたもの。
樽型のケースの形にも驚かれるかもしれませんが、よくご覧頂くと、風防(ガラス)も同様に樽型になっています。
ケースの側面にも装飾が施されていて、現代の腕時計とは大きく違うところです。
この時計に見られる特徴は、こういった初期の腕時計がおおまかな形となって、その後の「腕時計」としての定番が出来上がるまでの過程の1つと言えます。
そういった時計だけに、時計としての個性も際立っていて、見る・着けることに楽しみを感じて頂ける1点でしょう。
店主のワンポイントと評価
総合評価
時計自体の形やデザインの違いを楽しんで頂けるもので、時計の色味なども、新しく再現することのできない、長い年月を経てこそ作られるもの。
言うなれば、新しく作ることのできないものであり、良いブランデーやワインなどの中でも、特に仕上がりの良いものに例えることができるかもしれません。
同じように年数を経過した同じ時計であっても、同じような形や状態では現れることがない。
そういった意味では、本当によい形で熟成されたといって良い時計だと思います。
状態
拡大すれば文字盤の粗や経年変化・変色などはありますが、それがこの時計の個性であり特徴です。
ケースは仕上げ直しをしていますので、とても綺麗な状態です。
希少性
ハミルトンのこのような形自体も比較的珍しいものですが、状態面においては同じものとなると、入手は本当に難しいものだと思います。
贈り物
経年変化を楽しんで頂くアンティークで、どなたにでもお勧めできるものではありません。
アンティークとしてはとても状態の良いものですが、贈り物としては、その方の好みに合わせる必要があります。
備考