ロンジンのアンティーク腕時計 黒い文字盤に赤のエッセンス 【1954年頃】

黒い文字盤に赤のペイント

通常の銀やシャンパン色といった色合いではなく、黒というシックな色合いの文字盤。
黒と金のコントラストは、まさに鉄板といえる組み合わせですが、そこに赤い秒針と長針と短針の先端に赤を差した、配色という点でちょっとしたエッセンスを加えたもの。
デザイン的なバランスで言えば、秒針も短針・長針も金一色のほうが、格好良い感じもしますが、それだと「よくあるもの」になってしまう気がしませんか？
当たり前の中に、ちょっと加えた変化球。
外観のレトロ感という点では、これはこの色であったほうが面白いという特徴。
作られた当時の感性よりも、現代になってからのほうが、デザイン的に楽しんで頂けるものだと思います。

現代に近づくレトロなデザイン

ロンジンで言えば、その後のロングランAdmiralシリーズに見られるようなセンターセコンド（秒針が中心にあるもの）。
それまでの秒針が６時の位置にある定番の形から、デザイン的にすっきりとしたデザインも多用されるようになった時代のもの。
４０年代頃までのアンティークらしさから、現代との間の時代、「レトロ」という言葉がぴったりとくるデザイン的な違いが見られる腕時計です。
時計の形・ラグの形状などは、現代に限りなく近づいていますが、それでいながら「時計」として明らかな違いを楽しんで頂けるのがこの時代の面白さ。
着けるという点では見えない部分ですが、時計の裏側も、それまでのポコッとかみ合わせるだけの裏蓋から、スクリュー式の締め込みになっているのも、作りとしては大きな変化といえる点です。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A

全体的に状態も良く、デザインや配色の面白い、使いやすさもあるロンジンの腕時計。
アンティークまでいくと、ちょっと好みのわかれるところですが、こういったレトロな腕時計は、今も使われている・使いたいと思って頂けるスタイルの１つかと思います。
ちょっと小さな傷などはありますが、１人分の人生ほどの長さを過ごしていることを考えると、それもまた味として見て頂くもの。
時代的に自動巻きのようなデザインですが手巻き、そしてレトロ感たっぷりで、時計を着けるという楽しみが沸くものだと思います。

状態　A

写真で少し確認できるところもありますが、ケース・ラグ（足）・６時の下など、若干小さな傷などはあります。

希少性　A

ケースに若干使用感はあるものの、全体的な状態も良く、そういった点でも珍しい物です。

贈り物　A+

レトロな雰囲気のある時計として、とても面白いデザインだと思います。
黒に赤という点でカジュアルな雰囲気もあり、若干使用感もありますので、その点を踏まえて頂く必要はあります。

備考