銀器とジュエリーのティファニーによる合作
アンティークならではの良さが伝わる、雰囲気の良い逸品。
まるで美術品ででもあるかのように、飾られることでその美しさを表現できる懐中時計。
ショーケースに飾られている美術品のように、なんともいえない良さが写真からも伝わります。
ティファニーの名を冠している、この銀時計、皆様がご存じのあのティファニーの作。
現代のティファニーから考えると、その違いに驚かれることでしょう。
今ではティファニーと言えば「ジュエリー」の代名詞ともいえるほど有名ですが、1900年以前はその当時「銀器」でその名を知られるお店だったことは、ティファニーのアンティークの銀器が多いことからご存じでいらっしゃるかもしれません。
当時銀器で知られたティファニー、そして現代のジュエリーの代名詞ともなる名ブランド。
銀器とジュエリー、その2つを最高の形で融合することができたティファニーによる、美しい細工を施された銀の懐中時計。
この時計の姿をご覧頂くと、なるほどと納得いただけることでしょう。
その創業から現在に至るまで、銘品を生み出す高級ブランドとしてその名を知られるようになった背景が、この時計からも伝わってくるようです。
すずらんのように可憐で愛らしい銀時計
非常に綺麗な銀時計で、時計の周りにはすずらんの花や葉が、表面はもちろん裏面にもびっしりと彫り込まれています。
すずらんのつづらに可憐に咲く花、そのイメージをデザインにしたもの。
銀という面に施された彫りをご覧いただくと、一つひとつがいびつな形をしているのがお分かりいただけますか?
これは手を掛け時間をかけた「人の手」によるものであることの証、工業的に機械的に作り上げたものではありません。
ケースの装飾1つを取ってみても、一般的な時計メーカーの量産品とは違い、しっかりと手を掛けられたまさに1点物です。
時計だけでもその違いがわかるものですが、時計に合わせられている、銀のブローチと銀のネックレスもまた魅力。
写真でもご覧頂けますが、銀時計とブローチを合わせると、アンティークかつ上品な良い雰囲気に。
100年を超えた懐中時計にフルール・ド・リスのブローチ、これぞ西洋アンティークならではの組み合わせ。
これがあるだけで、セットとして全体の完成度がぐっと上がるというもの。
(フルール・ド・リスは、ブローチの形のことで、西洋アンティーク、また現代でもヨーロッパを中心に国旗・州旗・西洋の家紋など様々な場所に使われています。)
また銀のネックレスも非常に繊細なデザイン。
懐中時計と繋いで、本来の用途であるネックレスとしてお使い頂くのも一興。
銀のブローチを付けた状態でさらにネックレスを合わせると、セキュリティチェーンとしての効果もあり違和感のないものです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
どのように着けて頂いても、その存在感が圧倒的で明白に伝わる現代の時計との違い。
身に着ける美術品ともいえる特別な品で、会う人と時計が話題の切り口になるというのも、着けていて楽しい1点。
紳士物としても婦人物としてもお使いいただける作りで、男性ならラペルピンとしてスーツやベストに、女性ならブローチ・ネックレスとして身に着けて頂けます。
ティファニーの名が創業から現在まで高く評価されているのは、こだわりを持ったブランドであったから。
銀器・ジュエリーだけでなく、一時は自ら時計の製造をすることも試みたほどで、その後も一貫して信頼ある高級時計メーカーの機械を採用し続けたことからも、他の高級ブティックブランドとは大きく一線を画します。
この時計の機械も、当時の一流時計ブランドであったロンジンによってティファニー社のために作られたものです。
現代でもスイスの時計博物館で創業当時のシリアル番号を管理するほどの一流ブランドであるロンジン。
そのメーカーによって作られたものであったことから、製造された年代も知ることができました。
この当時の一流同士の素晴らしいコラボレーション。
一流の名を欲しいままにするティファニーですが、100年の昔からそういう姿勢であったことがうかがい知れる一品でもあります。
状態
特記事項はありません。
時計と一緒の状態で入手したものですが、非常に細いチェーンで刻印が無く、ブローチもティファニーのあるアメリカの銀のホールマーク「STERLING」の刻印だけであるため、ティファニーのものであるかはわかりません。
希少性
非常に綺麗な時計で、そもそもの数が非常に少ないこと、またこのように状態良く残っていること自体が珍しいものです。
贈り物
時計としてはとても特殊な作りで、用途・身に着け方が限られることから、どなたにでもお勧めできるものではありません。
ただ、しっかりとその目的と贈る方のことがよくわかっているのであれば、これほど素晴らしい贈り物もありません。
とても良い作りのものですので、贈り物としていただくよりも、ご自身でお使いいただくことをお勧めしたい1点です。
備考
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