ウォルサムのスケルトン懐中時計と腕時計兼用バンド 【1900年頃】

機械の動く姿が見えるスケルトンケース

アンティーク時計の「機械が動く姿」が見れたら面白いだろうな。と思われたことはありませんか？
そんなご希望にお応えする形で、ちょっと面白いものをご用意させて頂きました。

今でこそ、現代に作られる新しい時計では、裏側がスケルトン、もしくは表側の一部がスケルトン状になった時計がありますが、アンティーク時代ではほとんど見ることができません。では、なぜこういった形の時計があるのか？
実はこの時計、改造も何もされていない、作られた当時からこのような形をしていたものです。

それもそのはずで、本来はお店に出回る、商品としての「時計」ではありません。
機械の販売見本用として、機械の裏側も見えるスケルトンケースが採用されていたのです。
時計として「商品」の形にはなっていませんので、あるべきはずの吊り下げるための輪が無かったり、いわゆる「懐中時計」という完全形にはなっていないのがお分かりいただけるかと思います。
あくまで商品見本として作られたものですが、こういったものがあるということも、新鮮な驚きではないでしょうか？

懐中時計としても腕時計としても楽しめる

スケルトンケースだけでは、懐中時計として、いわゆる置時計としてしか楽しむことができません。
確かに機械が動く姿は楽しめますが、それだけでは、ちょっともったいないというもの。
そこで、このケースを収納して、腕時計としても楽しんでいただける形でご用意させて頂きました。

時計は１００年程前に、懐中時計から腕時計へと進歩していきました。
この流れの中で、懐中時計をそのままの形で腕時計として、使用されていたこともありました。
それがこの商品に使われている、革バンドで包むという「腕時計ケース」という形。
このケースは現代風に綺麗にアレンジされ復刻されたものですが、懐中時計を革のケースで覆って、そのまま腕時計として使う、実はほぼ同じ形で、１００年前も使われていたものです。

この革バンドを合わせていただくことで、置時計としても腕時計としてもお使いいただけます。
また置時計としてもお使い頂きやすいように、木製のスタンドもお付けします。
腕時計としてお使い頂く時計は革バンドに合わせ、置時計の時は木製のスタンドに置いて、もしくはそのまま机に置いていただいても、古いコンパスのようで非常に雰囲気があります。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A

機械の動いている裏側の姿を楽しめる、アンティーク時計としては特別な姿の１点です。
ロレックスやオメガなどの、改造されたり機械自体が偽物という、最近になって作り替えられた腕時計では、オークションなどでスケルトンになったものを見かけることはありますが、こちらは手を加えていない正真正銘の本物。
長い歳月を経たことで生まれる、その古さを侘び寂びとして楽しみながら、そのもの本来が持つ形を変えずに楽しむ。
アンティークの楽しみ方としては、変な手を加えずに、こういった形で楽しんでいただくのが一番良いのではないかと思います。

状態　A-

ケースのメッキが薄くなったりしているところはありますが、こういった姿も趣きとして面白いものですので、そのままの姿で残してあります。
綺麗な状態に仕上げ直してあげることは可能ですので、ご希望でしたらお尋ねください。
また実際の懐中時計とは違い、ケース自体に厚みがありますので、腕時計の革バンドに装着した時に、少し革バンドの横から隙間ができることと、リューズを引いて頂いた際にも、少し上側に位置がずれてしまいます。
写真でご覧いただけるように、飛び出したりするようなものではありませんが、リューズを引いた後は、リューズを押して、時計が革バンドの穴の中央に来るように、位置を調節していただく必要があります。

希少性　A-

腕時計ケースに収納できるサイズのものは限られますので、このような形でお出しできるものとしては、比較的珍しいものです。

贈り物　A

機械が動いている姿をご覧いただける、腕時計としてもご利用頂けるという点で、とても面白い１点です。
ただ革バンドから取り出したり、入れたりするのは、少しお手間なものですし、ケースの経年・使用による摩耗もありますので、その点を考慮頂く必要があります。

備考

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