懐かしさのそれ以前
アンティーク時計の定義は、時代とともに変わっていきます。
それは、今このページをご覧頂いている方が、あまり手巻き時計をご存じない年代であることがその証。
お好きな方はもちろん普段使いにされていらっしゃいますが、周りを見渡して頂くと、電池以外の「手で巻いて」動かすという時計を使ったことが無い方が大半かもしれません。
そう、この時計もそんな大きな世代を超えた1点。
いわゆる現代で思い浮かべられるアンティーク「腕時計」のイメージと言えば、きっと1940~60年代頃のものでしょう。
確かに現代とは違ったスタイルの時計でありながら、面影は確かにそこに残っています。
ただこの時計のように、そこからさらにデザイン的に一世代遡ると、作りや雰囲気も大きく変わってきます。
この時計をご覧頂いて、「懐かしい」そう感じて頂ける方は、あまりいらっしゃらないかもしれません。
それでいながら、この時代をご存じでない方が、この時計をご覧頂いた時に「懐かしいような気がする」。
それがこの時計のデザインの良さでしょう。
明らかな違いを楽しむ
ご覧いただいた際の印象を大きく変えているのは、時計の数字の書体や配置にあるでしょう。
古い年代の時計に使われた形で、これが時計の「懐かしさ」のもとになっているもの。
時計自体の形もまた特徴的で、ただの長方形ではなく、デザインとして左右に出っ張りをつけているのも写真からお分かりいただけるかと思います。
バネ棒タイプではなく、ワイヤーラグ式という巻き込んで留めるタイプのバンドもまた、時代を感じさせてくれるものです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
当時としては男性用ですが、ファッション的に現代から見ると、可愛らしい部分がある腕時計です。
レトロな感じでファッションとして着こなして頂くなら、女性の方にもお勧めをしたいデザイン。
英国王室御用達という老舗であった、英国ベンソンの腕時計でもあり、総じてデザインに味があり、雰囲気の良い1点です。
少しケースや文字盤に経年劣化が出ていますが、それも味として見ていただけるものだと思います。
状態
写真でお分かりいただきやすい形で撮影していますが、ケースに少し凹みや経年劣化の出ている部分があります。
長針については、おそらく交換されていると思いますが、短針に見合ったもので、特に違和感のないものです。
希少性
デザイン的にもメーカーとしても、元々数の少なかったもので、同じ程度のものとしても入手は難しい物でしょう。
贈り物
若干経年変化が見られますので、その点が問題なければ、贈り物としてもお勧めできる1点です。
備考
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