レトロを越えた前時代的な個性を楽しむ
J.W.BENSON・ベンソンは、知る人ぞ知るという英国はロンドンの時計メーカー。
この時計が作られた40年代ですが、当店のホームページで他のメーカーの時計もご覧頂くと良いかもしれません。
この時代の少し前から、デザインなどが古い前時代的な「懐中時計」を模倣した形から、「腕時計」という1つのスタイルとして確立された時代。
非常に個性ある形であったり、現代にも通じるようなデザインの腕時計が多く作られた時代でもあり、腕時計としても花形の時代と呼ばれています。
この時計はそんな時代にあって、古い時代を「良し」として、前時代的なデザインにしたものでしょう。
あえて「時代の新しさ」を追わない、この時代の速さについていけなかったという側面も、ベンソンの事情にあったのかもしれません。
この時代のベンソンには、このような昔の形をした腕時計が多いのが特徴で、そのような姿勢も並み居るメーカーの中では面白いもの。
角ばった樽型のケースデザインは、一世代前を彷彿とさせる形ですが、それだけに個性がしっかりと表に出たもの。
文字盤のシンプルなデザインや、ブルースチールの針の形など、少し前の定番のスタイルですが、それだからこそ、この時計の形に合うといえるものでしょう。
あえて時代に急がない、その古さを楽しむという点で、アンティークかつレトロといった位置付けを楽しんで頂けるものだと思います。
英国御用達の老舗
英国の時計ブランドであったベンソンは略称J.W.BENSON、正式にはJames William Benson。
古くは英国王室御用達であったことからも、そのブランドの格と歴史を感じることのできるブランドです。
特に1900年前後の新聞や雑誌の広告には、ベンソンの懐中時計やその名がたびたび掲載されるほど、英国ではその名を馳せたブランドで、日本の戦後経済復興の立役者・白洲次郎が愛用したメーカーとしても知る人ぞ知るというところ。
戦時に工場が被災したことで、「時計メーカー」ではなくなってしまいますが、時代が腕時計に変わっても「ロンドン」「イングランド」とその地の名前を時計に刻み、英国愛が伝わってくるメーカーでもあります。
店主のワンポイントと評価
総合評価
シンプルで落ち着いたデザインの金時計。
当時としては男性用のサイズと言えますが、デザイン的な面でケースの枠の部分が広くなっているため、文字盤が直径にして2センチほどしかありません。
そのような意味でも若干小ぶりなサイズですので、腕が細めの男性また女性にもお勧めできるサイズです。
時計のデザイン的に、写真のような茶系のバンドで、白・ジーンズなどの組み合わせと、カジュアルに着けて頂くというのも、ご想像頂けるのではないでしょうか。
バンドの取り付け方式も古いタイプで、「ワイヤーラグ」という形で、バーを巻き込んで取り付けるタイプのバンドが必要になります。
現代の一般的な「バネ棒式」のバンドは取り付けることができません。
ワイヤーラグに対応したバンドが、現在日本ではほとんど市販されていないため、オーダーメイドという形になってしまいます。
ただワイヤーラグのバーの部分を取り除き、ラグの部分にバネ棒を取り付ける穴を加工することで、バネ棒タイプのバンドを取り付けることも可能になります。
有償になりますが、こちらで対応可能ですのでご注文時にお知らせください。
状態
特記事項はありません。
希少性
ベンソンの腕時計自体、一般的な時計メーカーと比べると数が少ないものです。
贈り物
飽きの来ないシンプルなデザインで、特殊な形の金時計として面白味のあるものです。
男性用としては少し小ぶりですので、その点にご注意頂く必要があるでしょう。
備考
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