ハミルトンの縦長の品のあるアンティーク腕時計【1941年頃】

カーブをした長方形の優しい当たりのスタイル

現代までその命脈を受け継がれる時計メーカー・ハミルトン。
古くから広告などのマーケティングが巧みで、今も映画とのコラボなどでも取り上げられる時計の老舗。
これは、そのハミルトンのアンティーク時計の中でも、卓越したデザイン・面白いデザインの腕時計。
１９４０年代、まさに腕時計・機械式が全盛だった時代に生まれた素晴らしいデザインの１つです。

ベルトを留める部分もデザインに

特に大きめ・広めに取られたラグ部分（ベルトを留める部分）が特徴的で、１９１０年代に実用的な作りとしてよくみられたワイヤーラグタイプを、時代を超えてデザイン的に昇華させた形。
ラグ自体が時計のデザインの１つとして組み込まれ、ベルトとケースの接点がより自然で、いわゆる一般的な「時計」らしくないところが面白い。
ケースとラグを横からみると、緩やかにカーブしているのも特徴の１つです。

また、この上下のラグの部分（ベルトを留める時計上下の、長方形の輪になったような部分）が、ベルトと一緒になって時計のデザイン作りにも一役買っています。
一般的な腕時計であれば、時計の上下すぐから、腕に沿ってベルトはカーブしますが、この時計の場合はちょっと違います。
上下両端のラグの上をベルトが通るため、時計から上下にベルトが約１．３センチほど時計と並行に伸びて、そこから腕に沿ってカーブします。
このような作りになっていることで、普通の時計よりも、「よりベルトを”面として見せる”」デザインになっています。
写真からはお分かりいただきにくいのですが、青いシャツと一緒に撮られた写真をご覧いただくと、少しその意味がお分かりいただけるかもしれません。

全体的な印象として、時計として「これは変わっている」と思っていただける１点。
カーブをしているケース・シャンパンカラーの文字盤・ゴールドのインデックスという上品な色合いとデザインを備え、落ち着いたイメージと上品な印象を持っています。
合わせていただくベルト次第で、仕事にはもちろん、少しフォーマルなプライベートにも合います。
着けていただいて楽しい時計だといえるでしょう。