
ドイツ・ヒトラーが台頭した時代の腕時計
この時計が作られた時代は、ロシアはスターリンの時代、そして西にはヒトラー率いるドイツが伸張を始めた頃。
このオメガの腕時計は、そんな時代に、当時のソビエト連邦内務省から個人に対して贈られた腕時計。
大切な贈り物として「時計」が選ばれていた時代で、オメガを贈られるほどのものであったこと。
そしてオメガを贈ることができたということから、当時のどれだけの国力があったのかということも、推して知ることができる時計だと言えるでしょう。
時計は懐中時計から腕時計へと変わり、そしてこれからさらに腕時計として形作られるという、腕時計としてはまだ初期頃に当たる時代です。
陶製の文字盤に特徴あるブルースチールの針、そしてクッション型のケースにワイヤーラグ。
1930年代を代表するような、そんな特徴をしっかりと備えた1点。
シンプルな見た目ではありますが、これぞアンティークといった外観で、現代のオメガとは明らかに違う姿を楽しんで頂ける1点です。
歴史が伝わる銘入り
時計の裏蓋には、下記のようにロシア語で彫りが入っています。
彫りがかなり薄くなっていますが、まず下記の内容で間違いないかと思います。
当時のソビエト連邦内務省から贈られたものですが、省としては非常に範囲の広いもので、当時の秘密警察なども含まれます。
このような時計を授与される、そしてそれを時計として見ることができるというのは、その時代を感じ楽しむという点でも、オメガの歴史を手に取ることができるという意味でも、とても面白い1点かと思います。
СОФ. ОТД. УЧ. ИНСПЕКЦИЯ(Department of Records Inspection)
ДУБА СВЕРДЛОВА(to Duba Sverdlova)
ЗА ДОБРОСОВЕСТНУЮ РАБОТУ(for conscientious work)
4桁の数字、おそらく1932もしくは1912かと思いますが、年代を表しているものかと思いますが摩耗でほとんど見えなくなっています。
1932年であれば時計の製造年から考えて妥当な年、1912年であれば勤続表彰と考えられます。
店主のワンポイントと評価
総合評価
見た目にも明らかに違いがわかる、現代のオメガ以上の雰囲気を楽しんで頂ける1点です。
時計の幅に対して、ベルト幅が20ミリと、非常に幅広のバンドを取り付けることができる、個性的なバンドであればより際立つ作りになっています。
出自を考えると特別なものではありますが、時計単体として考えると、カジュアルにとても合わせて頂きやすい腕時計かと思います。
ソビエト時代の当時、そんなお堅いイメージにぴったりの雰囲気という点
時計のサイズ的には、男女兼用というサイズかと思います。
男性用としてはやや小ぶりで、女性用としてはバンドが幅広という点を写真でご確認ください。
状態
こちらの商品は、裏側の彫りのこともありますが、意図的に「磨いていない」商品になります。
写真でケースの表側等に軽い傷や変色を見ることができますが、これらは磨くと綺麗に光り無くなるものです。
ただ時計の出自という点もありますし、色味や雰囲気という点でも、磨かないという選択肢を考えて頂けるものだと思います。
ご購入頂くに当たって、研磨をご希望でしたら磨かせて頂きますのでお知らせください。
希少性
当時のオメガのこのような腕時計、そして状態が良いものも珍しいのですが、時代背景がわかる彫りがあるという点でも希少な1点です。
贈り物
陶製の文字盤が現代の時計でリメイクされることもありますが、この時代のものは明らかに雰囲気が違います。
現代のオメガとはまったく違う、このような雰囲気をお好きな方でしたら、とてもお勧めできる1点です。
備考
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