青いエナメルスイス製銀無垢アンティーク懐中時計【1890年頃】

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エナメル装飾にギョーシェ彫り

こんな小さな懐中時計なのに、といった細やかな装飾が鏤められた非常に古い銀時計。
ケースの前面また背面にも、下地に細かなギョーシェ彫りが施された上への青いエナメル加工。
特に光を通すと、まるで宝石のように、青く透けるその下に模様が浮き上がるという昔の古い手法です。
ギョーシェ彫りというと、現代の高級な時計にあるイメージですが、実はこの時計の時代、こんな初期から登場していたものです。
非常に古い時代に使われていた手法が、時代とともに使われなくなったものに、改めて現代的な手法で高級機のラインナップに取り入れられたことで、ご存じの方も多いかもしれません。

表面の陶製の文字盤に見えるゴールドのインデックス。
綺麗な装飾が施された針にセットされた宝石。
時計の裏面には、金と銀を用いて描かれた花。
当時の婦人用ということで、サイズ的には非常に小さな懐中時計ですが、身に着けるものの華やかさなど、当時を感じることのできる１点です。

作りが古いという面白さ

作られた時代がより古くなると、同じ懐中時計でも、その作りや手法がまったく変わってきます。
一般的に広まる時代とそれ以前、そういった違いが時計の外観にも、そして見えない内側にもあります。
見えない部分ですが、機械は懐中時計が一般に普及する前のシリンダー式という作り。
その後の時代よりは、作りとして誤差がどうしても出てしまうものですので、この時計の作りを楽しんで頂ける方に。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A-

★★★★★

この時計のような、エナメル装飾が施された時計は、時代的に年代が古いこともありますが、その素材からも非常に割れや欠けが起こりやすい素材です。
エナメル部分に部分的な割れ・欠け等が多く、なかなか綺麗な個体として残っているものが少なくなっています。
ロイヤルブルーといった深い青い色合いを持つもので、サイズ的にブローチやネックレスとして合わせて頂くのも、昔の使い方に倣うという点で面白いものです。

状態　A

★★★★★

エナメル部分の表面に少し軽い傷はありますが、全体的に状態の良い１点です。

希少性　A

★★★★★

エナメルの状態が良いものという点でも珍しいものになります。

贈り物　A-

★★★★★

時計のデザインや装飾といった外観的な面では、贈り物としても非常にお勧めできる１点。
ただ時代的に少し古いものになり、作りの面から誤差が少し出てしまうことや、エナメルの状態の良さという点は、ご存じでない方にはお分かりいただきにくい部分。
そういった点では、贈り物としては少し価値を感じて頂きにくい部分かもしれません。