古い作りが新鮮な感動を呼ぶ
今だからこそ、そのデザインが輝くまでに光る、とても味のある時計です。
時代としては、腕時計が一般に広まり始める頃。
時計の作りとしても、表側もちょうつがいになった蓋型、そして裏蓋も内蓋と二重になったちょうつがいという作り。
文字盤も陶製で、まさに懐中時計をそのまま小さくしたような、古い作りが見られる年代物の腕時計です。
時計自体のサイズは小さく作られていますが、その時代の技術力のこと。
時計のケース自体が少し厚めになっていますが、それをデザインとして取り入れて、昇華させているのがこの時計の良さ。
そのままであれば、丸型のごく一般的な形になってしまいそうなところを、上下左右に平面になる部分を取り入れることで、表蓋の作りに大きなデザイン性を持たせています。
横から眺めた時の、蓋を留めているちょうつがいの作りもまた、この時計のデザインの一部。
丸みを帯びたデザインの中に、平面と角のある作りを取り入れられている点は、まるで昔のクラシックカーを彷彿とさせる造形美。
小さいながらも厚みがあって立体的。
かつそこに面と角という、現在の時計からは考えられない形がある。
腕時計として、とても魅力のある作りであり、個性を持つ味のあるデザイン。
眺めていても飽きない、着けていて沸いてくるような可愛らしさを覚えるものです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
時計がファッションとして、より個性を主張するアイテムになった時代だからこそ、見せて楽しい・着けて楽しい時計こそが重宝されるのが現在の流れ。
そういう意味では、この時計は本当に「時計をする意味」を再発見させてくれるものです。
それこそ少し前であれば、ただ単なる古い時計だと見られていたものでしょうが、このような個性的な時計こそ、歳月を経るごとに魅力を増していくもの。
現代の時計では出すことも感じることもできない特別性、そして同じ年代の時計にも見られない、本当の意味での個性が光ります。
状態
文字盤の33分から34分近くにかけて、汚れが見えますが、写真撮影後に拭きとってあります。
特記事項はありません。
希少性
当時のスイス時計としても貴重な形のもので、全体的な雰囲気自体も良いもの。
状態面でも申し分なく、デザイン性の特殊さもあって、非常に希少な1点です。
贈り物
本当に時計としての珍しさ、デザインの良さが引き立ちます。
手元をついつい見てしまう、見せたくなるほどの味のあるデザインです。
ただその特殊性ゆえに、贈り物としては、好みを完全に把握されている場合にのみお勧めします。
備考
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