煙をあげる蒸気機関車 ウォルサムの銀無垢アンティーク懐中時計【1900年頃】

時代背景が伝わる蒸気機関車の彫り

このウォルサムの銀時計の魅力、それは懐中時計に彫られた蒸気機関車の彫り。
しっかりと深く彫り込まれたもので、その姿はとても印象的でアンティークならではの雰囲気があります。
ローズゴールドで表現された、力強くレールの上を走る蒸気機関車、煙を上げるその姿にも感慨深い物があります。
懐中時計の顔である文字盤も、この時代ならではのもので、白色の艶のある下地に、時刻を読みやすいアラビア数字。
シンプルではありますが、「いかにも」というこの時代ならではの作りで味のあるものです。

２つが重なる時代

今や観光地で走るっている姿や、博物館で飾られているものを見る程度ですが、蒸気機関車が実際に走っていた時代がありました。
その時代は、懐中時計が当たり前の時計として使われていた時代と重なります。
鉄道員がおもむろに懐から取り出す懐中時計、そして懐中時計で時間を確認する。
なんとも微笑ましい光景、絵になる姿だと思われませんか？
当時の懐中時計の広告の中には、「鉄道時計」として使われていることが、広告の目玉になっているものもあります。
それだけ当時の蒸気機関車と、懐中時計には密接な関係がありました。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A

蒸気機関車の彫りということで、万人受けする懐中時計ではありませんが、そのデザインとしてとても面白い物。
こういった時計で、鉄道が動いていたんだなと思うと、手にすることの楽しみも倍増です。
実際に鉄道時計として使われていたものかは、この彫りからだけではわかりませんので、持ち主の方の好きなもの・趣味から彫られたものである可能性もありますが、蒸気機関車を「好きなもの」として彫る、そんな時代であったことに感じ入るところはあるかと思います。

状態　A-

写真でもなんとかご覧頂ける程度ですが、文字盤の７時の箇所にわずかにヘアラインが見られます。
お客様が操作していただく箇所ではありませんが、表蓋を外す・取り付ける際に、蓋とケースが噛み合わせにくいところがあります。
メンテナンス時のみ技術者が開閉する箇所ですので、通常は開けて頂く箇所ではありません。
写真も掲載していますが、ケースは表蓋・本体・裏蓋という定番の３ピースではなく、表蓋と本体という２ピースの作りになっています。

希少性　A

蒸気機関車がモチーフになった懐中時計の彫りは時々みかけるものです。
ただこの時計のように、状態も良く彫りもしっかりしているものとなると数は少なくなります。

贈り物　A

銀時計そのものとしても面白く贈り物にもお勧めですが、万人向けではありません。
「蒸気機関車」の彫りに興味を持って頂けるかどうかで、贈られる方が感じる価値も変わります。

備考