美しき古典華あるグリュエンの女性用アンティーク腕時計【1920年頃】

着飾ることを楽しむ時計

時計を身に着ける理由は何でしょうか？
携帯電話で時間を見ることができる時代にはなりましたが、時計離れと同時に「良い時計」を身に着けることが好まれる時代へと変わってきています。
それは「着飾る」ことの楽しみ、自分だけの個性を身に着けることが、改めて見直されていることに他なりません。

「紳士・淑女」という言葉が美しく響く時代から、時代が進むごとに、様々なものが簡略化されていきました。
確かに簡便になりましたが、何か物足りなさを感じられませんか？
それがアンティークが人気になっている大きな理由。

アンティーク時計とは言っても、その形や姿は千差万別。
古くは懐中時計から、そして腕時計が世の中に広まってからでも、すでに１００年以上が経っています。
レトロなスタイルもあれば、本当に骨董美と言えるほどの美しさを備えたもの、懐中時計のような趣きを持つものなどさまざまです。

初期の腕時計の美しさが光る

このグリュエンの腕時計は、時代的には懐中時計から腕時計の時代へと、その時代が移り変わる頃のもの。
明らかに前時代的な作りでありながら、それが本当に大きな魅力となって現代に映える。

美しいまでに装飾が施された、時計のケースと時計の顔である文字盤。
ケースには綺麗な模様が施され、文字盤の中央には、その模様を受け引き立たせるように、綺麗な華の模様が施されています。
またそれだけではなく、ケースが八角形になっているのも大きな特徴。
針の形もまたなんとも言えない趣きのあるもので、この時計の姿にとても良く似合っています。

ケースの裏側に施された手彫りのイニシャルもまた、これもこの時代ならではのもので、時計を外しても楽しんでもらえる魅力の１つ。
ベルトも現代の形とは違い、アンティークならではの、ワイヤーラグというベルトを巻き込んで留めるタイプの作りです。

このような魅力と個性の集合体という時計が、今から１００年ほど前には生みだされていたもの。
時代の流れとともに、大量生産という形にはそぐわないものとして、歴史の中に消えてしまいますが、そのセンスの良さと技法の美しさには、ただただ驚いていただけるものだと思います。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A+

★★★★★

本当に自分好み、自分の個性を引き立たせてくれる時計をお探しなら、現代の時計では物足りないかもしれません。
現代では、雑誌・メーカーがこぞって追随する時代。どこを見ても同じ様に見えてしまうからではないでしょうか。
繊細な装飾の中に、その時代にあった技術を結集して切磋して、磨き上げられた形というのがこの時代のアンティーク。
それだけの手間をかけられた品であるからこそ、今でも人の心を動かします。
とても綺麗な１点ですので、身に着けていただくことを楽しんでもらえる１点だと思います。

状態　A+

★★★★★

特記事項はありません。

希少性　A+

★★★★★

この時代でも特殊な作りの物で、状態面も合わせて非常に珍しい１点です。

贈り物　A+

★★★★★

このような時計をご覧いただくのは、よほどアンティークが好きな方でなければ、初めて手に取られるものかと思います。
現行品の画一された作りとは違い、アンティークだからこその個性が光る作り、かつクォーツ・デジタルとも違う、コチコチと音を立てて動く時計ということで、感動すら覚えていただけるものだと思います。