グリュエン アンティーク腕時計 カーブ＆黒文字盤 【1937年頃】

他とは違う、品と個性を持つ腕時計

この時計は、時計を扱う私たちが見ても特別なデザイン。
販売する者をすらそう思わせるのは、個性や特徴が際立っている１点であるから。
グリュエンの代名詞ともなった、横からみるとカーブ・弧を描くカーベックスと呼ばれるスタイルのケースは、この時計にも採用されている大きな特徴。
４０年代のグリュエン「カーベックス」を皮切りに、各メーカーが追随した、上品かつ存在感あるスタイルが魅力です。
グリュエン好きならぜひ押さえておきたい１点であり、アンティーク時計としても非常に面白い１点です。

ゴールドと黒の美しいコントラスト

様々な趣向を凝らした、デザインに特徴がある腕時計ですが、その根幹になって全体をまとめているのは、ゴールドと黒の美しいコントラスト。
ケースのゴールドとの調和がより美しく見えるよう、黒の文字盤を囲むようにゴールドのインデックス、また縁取りが入っているのも大きな違いです。
このようにデザインにこだわりを持たせることで、他の同系の時計との区別がはっきりとされる・優秀作と佳作を分ける大きなポイントになっていると言えるでしょう。

ケースもさまざまなデザインが施されていて、ラグ（ベルトを留める足部分）は通常のものより長めに取られていて、ケースの長さとカーブがより強調される作り。
一般的な時計であれば、ベルトが取り付けられる実用的な長さだけですが、このケースのラグの部分は、ゆったりとカーブを描くデザインの一部として、ひと際長く作られていることがわかります。
またケースの上下には３つの立体的なラインを施し、その両端には小さな段々の山のカットが施されているといったこだわりよう。
ケースの横から見たときは柔らかな流線型、そして正面から見たときは立体感あるデザインで上品な陰影を付けたデザインと、風格と品格を感じる印象になっています。

インデックスの数字にも立体感があり、針の形もこの時計のデザインにとても良く合っているもの。
全体的な雰囲気が上品で美しい時計です。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A+

デザイン的にとても上品なものであり、それでいてしっかりとした落ち着きも感じる。年代を問わずに長く使っていただける腕時計でしょう。
ちょっと上品なカジュアルにも、スーツやシャツなどにも非常に良く似合う１点。
着けていただくと、手元がぐっと引き締まるような、大人の格好よさが漂ってくるほど。
時計を着け替えるだけで、雰囲気がまったく変わってしまうほどの存在感があります。

のちにグリュエンの代名詞になる「CURVEX/カーベックス」との大きな違いは、中の機械自体がカーブしているかという点。
この腕時計はカーベックスの機械よりも前の500ムーブメントですが、そのカーベックスに繋がる特徴あるデザインです。

状態　A

文字盤に若干粗い部分が見られますが、気にならないほどの軽度のものです。

希少性　A+

作りやデザインに特殊性があり、状態面も含めて珍しいものです。

贈り物　A+

状態面としても非常に良く、珍しさデザイン性も富んでいて、違いを体感できる味のある時計です。
贈り物としても、ここぞの１点として、特別なシチュエーションで使っていただける、足りないところを補う１点として特別なものになる時計です。

備考