
英国王室そして国軍御用達
隆盛を極めた大英帝国、その当時の英国王室そして国軍の御用達であった、英国が誇る時計メーカー、J.W.BENSON・ベンソン。
そのベンソンの中でも、年代的にも古い希少な黒文字盤であり、かつ1917年という彫りをその時代背景として背負う銀無垢の懐中時計。
当時のいわゆる英国時計といわれる、しっかりと厚みがあってずっしりとした重みを感じる重厚な作り。
黒い文字盤には艶があり、雰囲気があり風格が伝わる1点です。
当店で販売をさせて頂いたものに、同系そして同年のものがありますが、そちらは王国砲兵隊のブロードアローのマークがあり国軍で採用されたもの。
こちらはブロードマークの刻印こそありませんが、同モデルのもので、ケースの裏側には盾に1917年の彫りが施されていることから、第一次大戦の真っただ中であり、刻印が無いことから軍用として使われたことを証明できるものはないものの、関係するところでの褒章品であったものではないかと推測されます。
個性と風格ある作り
特に大きな特徴としては、一見していただけで引き立つ魅力である黒い文字盤。
戦時に使用された懐中時計であることから、光らない黒い文字盤が採用されている特別なもの。
この時代ならではの陶製素材を利用したもので、表面に照りのある艶があるのが大きな特徴。
同様に陶製の文字盤を用いたものでも、白いものは数あれど、陶製であり黒い文字盤は非常に希少なもので、かつベンソンのものは本当に数が少ないものです。
針に昔の塗料が残っていますが、100年以上が経っているため、さすがに部分的に抜けてはいますが、これもまたアンティークの程よい枯れ具合と言えるでしょう。
持つだけで、激動の時代を乗り越えた、時計の力強い鼓動が伝わってくるようです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
風格ある英国王室そして国軍御用達の懐中時計。
その響きと外観の特別さは、写真だけでなく、実物を見て頂くと魅入られてしまうものかと思います。
時計メーカーとしては、この時代がベンソンの全盛期といえるもの。
第一次世界大戦の空襲によって、ベンソンの工場が被災してしまいますが、当時の英国の広告から、英国では懐中時計を精力的に販売していたことが分かります。
日本では知らない方も多いかもしれませんが、白洲次郎が愛用したメーカーとして、知る人ぞ知る・わかる人にはわかる特別なメーカーでもあります。
ぜんまいを巻くのはリューズ式で、時刻合わせはボタン式・ダボ押しと呼ばれるタイプになります。
1時付近のケース外側にボタンのような部分がご覧頂けると思いますが、そちらを押し込んだまま、リューズを回すと針が動き、時刻合わせができるタイプです。
このような作りの違いという点でも、使うという楽しみを感じて頂けるものかと思います。
写真の中で時計に付いている革紐は、この懐中時計に付属していたもので、そのままにしてあります。
おそらくボタン等に留められていたものだと思われます。
状態
経年変化や軽いくぼみ等はありますが、価値を損なうものではない、とても良い状態と言えるものです。
希少性
ケース、機械、文字盤ともにベンソンの銘入り。
元々の数自体が少なく、この時計のように、状態も良く時代背景がわかるものとなるととても希少です。
贈り物
特殊なものになりますので、贈り物にもお勧めではありますが、贈る方を選ぶものかと思います。
備考
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