蒸気機関車の彫りを愛でる
アンティーク時計の分野で、根強い人気を持つのが、ミリタリーものと鉄道物。
それはどちらも、時計の作りを変えた大きな案件、また時計の歴史を変えたきっかけにもなった、大きな二つの事案でもあります。
今では「時計」といえば、そのデザインやファッションが競われるものですが、この時計が作られた当時は、「いかに正確であるか」という、時計の原点ともいうべきところが競われていた時代でした。
時計の広告には、「鉄道時計」として採用されたことが大々的に宣伝されていたり。
まだまだ時間の正確性が不確かであった時代のことですが、乗り物の到着や発車時間などには、決められた定時があったのですから、どれほど時計が重要視されていたものか想像に難くありません。
このウォルサムの懐中時計は、そんな時代の鉄道時計。
ケースの裏側に、蒸気機関車が彫られているのが大きな特徴で、当時のアンティーク時計らしく、心地良い装飾性も併せ持っています。
陶製の文字盤にブルースチールの針、そしてアラビア数字の見やすい文字。
いかにもこの時代のアンティーク懐中時計という姿であり、程よい古さも併せ持っている、味のある懐中時計です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
デザインのモチーフになるものの古さが、そのまま時計の姿の古さにもなる。
電車ではなくて蒸気機関車であることが、それがまさに作られた時代の証でもあるということ。
どなたにでもお勧めできるものではないのですが、電車などの乗り物がお好きな方や、この時代のこのような雰囲気がお好きな方にお勧めしたい1点です。
状態
写真でご確認いただけますが、文字盤の18分付近の外側から、軽いヘアラインが入っています。
ごくわずかな程度のもので、言われて目を凝らしてやっと見える程度で、状態としては良いものです。
また蒸気機関車の彫りの部分ですが、使用されていたものですので、擦り傷や彫りが薄くなっている箇所があります。
希少性
鉄道には必要とされていたものですから、数が無いわけではありません。
ただ時計の形はシンプルなものが定番で、デザインが良く状態も良いものとなると、数は少なくなります。
贈り物
いかにもアンティークという作りやモチーフのもので、彫りが薄くなったりしているように、使用感や古さも感じられるものです。
その点にご理解のある方で、鉄道好きな方であれば、その時代に思いを馳せることのできるお勧め品です。
備考
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